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外国人についてのご質問

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当社では、これから外国人を雇い入れたいと考えています。注意する点を教えてください。
1.不法就労にならないように!
 まず応募してきた外国人がどのような在留資格で入国しているかを把握し,就労できる外国人かどうかを確認する必要があります。
 就労資格がないのに就労してしまった場合,その外国人が処罰されるだけでなく,就労資格のない外国人を雇用した者も入管法により処罰される場合がありますので注意してください(入管法73条の2)。
 入管法では,一般的に,専門的な技術等を生かす職業活動をしようとする者にのみ,その職業をするための就労資格が与えられています。
 当該外国人に,与えられた在留資格の範囲内の活動をさせるためであれば,雇い入れることはできますが,それ以外の活動やいわゆる単純労働をさせることはできません。また,「短期滞在」「留学」「研修」といった在留資格では,原則として就労は認められていません。ただし,法務大臣が相当と認めた場合には,一定の条件下で資格外活動として労働が認められることがあるので,当該外国人がその資格外活動の許可をもらっていれば雇い入れることも可能です(入管法20条2項)
 その許可が与えられているかどうかは,当該外国人に「就労資格証明書」の提示を求めれば確認できます。この証明書には,当該外国人が行うことのできる活動内容,就労可能な期限が記載されており,安心して雇い入れが可能です。
2.労働基準法など労働法規の遵守
 また,労働基準法,最低賃金法などの労働法規は,外国人にも適用されますから,外国人に対しても最低賃金額以下で労働させることは許されませんし,外国人だからといって日本人より安い賃金しか払わないことも許されません(労働基準法3条など)。もちろん,賃金だけでなく,その他の労働条件についても,日本人との差別的取り扱いは禁止されていますから,注意が必要です。
私は、夫と離婚することに合意しましたが、仕事の関係もあり、離婚後も婚姻中に名のっていた夫の氏を使用しようと思っているのですが、どのような手続をすればよいのでしょうか。
原則として、婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、離婚により婚姻前の氏に戻ります(民法767条1項)。しかし、この原則を貫くと、離婚により婚姻前の氏に戻る者は、社会生活上の不利益(例えば、契約関係や公的書類の氏の欄の変更届出をしなくてはならなくなったり、仕事の関係上担当者が代わったとの取引先の誤解を避けるために、氏の変更を通知しなければならないなど)を受けることになってしまいます。
 そこで、このような不利益を避けるために、昭和51年に民法762条2項の規定が新設され、離婚後も引続き婚姻中の氏(本問では夫の氏)を称しようとする者は、その旨を届出ること(戸籍法77条の2の届出)によって、離婚の際に称していた氏を称することができるようになりました。
 この届出は離婚の届出と同時にすることもできますし、いったん婚姻前の氏に戻った場合も、離婚の日(協議離婚の場合は届出日。裁判離婚の場合は離婚の裁判の確定日。調停離婚の場合は調停成立日。)から3か月以内に届け出ることができます。
私は、このたび外国人と知り合って結婚することになりましたが、手続に不安があります。どうしたらいいでしょうか。
外国籍の人と結婚する場合、結婚と在留資格の2つの手続をきちんとしておく必要があります。
 結婚の届出を日本国内で行なう場合には、日本人と結婚する場合と同様に市町村に届け出ます。日本人の場合には戸籍で独身などの結婚できる要件を確認することができますが、外国人の場合は戸籍での確認ができないので本国法で結婚できるかを確認するため、その国の大使館等が発行している婚姻要件具備証明書等の書類の提出が求められます。
日本国外で他の国に結婚の届出をすることもできますが、その場合には日本の市町村や大使館・領事館に3か月以内に報告をしておかなければなりません。結婚後の氏に関しては日本人の側は6か月以内であれば市町村での氏の変更の届出で、それ以後であれば家庭裁判所の許可を得て変更をすることができます。外国人は自分の国の制度に従うことになりますが、日本国内では外国人登録上の通称を配偶者に合わせて登録をすることは可能です。
 ただ、日本人と結婚すれば、当然に日本で国籍を取得し生活できるわけではなく、日本に外国人が在留するためには27種類ある在留資格のうちのどれかに該当していなければなりません。日本人と結婚した場合には、「日本人の配偶者等」という在留資格が準備されています。これは入国管理局に申請して取得するもので、虚偽の結婚等の特殊な場合を除き、この在留資格が付与されます。
 結婚時点で在留資格のない外国人の場合、原則的には日本から退去強制されることになりますが、日本人や永住者などと結婚した場合には、一般に「在特」と言われている在留特別許可によって相当程度の割合で在留資格が付与されています。このような問題がある場合には弁護士等の専門家に相談されることをお勧めします。