愛知県弁護士会の子どもの権利委員会は、多くの子どもたちの生活の大半を占める学校を、子どもたちにとってより良い学びの場とするため、「スクールロイヤー」活動について研究しています。

学校と子どもたち

ここからは、スクールロイヤーとは何なのか、どのような役割を果たしているのかを知っていただくために、Q&A形式で、スクールロイヤーについて説明します。

スクールロイヤーQ&A


Q1 スクールロイヤーって何?

A1 私たちが考えるスクールロイヤーは、「学校で発生する様々な問題について、子どもの最善の利益を念頭に置きつつ、教育や福祉等の視点を取り入れながら、法的観点から継続的に学校に助言を行う弁護士」です。
スクールロイヤー活動によって、学校における子どもの権利を守り、子どもの成長と発達を支えます。

Q2 スクールロイヤーは、どう役に立つの?

A2 学校で発生するいじめ、不登校、問題行動などには、心の問題、友人関係、家庭環境、児童虐待、貧困問題、差別等、様々な背景があります。
弁護士は、「問題整理」や「利害調整」を行うのが仕事ですから、様々な情報を横断的、総合的に検討し、問題点の発見や深刻化を防ぐための助言を行うことができます。
これにより、先生方の負担が軽減しますので、先生方が、子どもと向き合う時間に集中して、教育における専門性を発揮していただくことが可能になります。

Q3 スクールロイヤーは、顧問弁護士とは違うの?

A3 スクールロイヤーは、定例相談や巡回相談を行い、気軽に相談できる関係を作ります。
法律問題かどうか分からない相談や実際に問題が発生していない時点での相談も、気軽にしていただけます。

Q4 スクールロイヤーは、学校の代理人ですか?

A4 スクールロイヤーは、子どもの最善の利益のため、多様な利害関係を持つ者が関わる学校で発生する問題を未然に防止したり、問題整理をすることが目的であり、特定の者の代理人として活動することには、なじみません。ですから、学校の代理人となることは、ありません。

Q5 スクールロイヤーは、直接子どもや保護者の相談に乗ってくれますか?

A5 A4で述べたように、スクールロイヤーは、特定の者の代理人として活動することには、なじみません。そのため、直接子どもや保護者の相談に乗ることはありません。
子どもや保護者が直接弁護士による相談を希望する場合は、子どもの権利委員会が実施している子どもの人権相談をご利用ください。

これまでの実績

  • 令和元年度(2019年度)は、長久手市において、私たちが考えるスクールロイヤーを学校巡回弁護士事業として試行的に実施しました。
  • 令和2年度(2020年度)は、愛知県弁護士会から長久手市教育委員会及び愛知県教育委員会へスクールロイヤーを推薦しています。

スクールロイヤー関連記事

  • 令和元年(2019年)11月30日に開催されたシンポジウム「学校教育と『スクールロイヤー』~子どもの視点から考える~」についての記事はこちら
  • 愛知県弁護士会会報「SOPHIA」の「子どもの事件の現場から」に掲載された「長久手市での学校巡回弁護士(スクールロイヤー)を経験して」の記事はこちら

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