私たち今年度執行部の任期も残り１か月となりました。

愛知県弁護士会も新型コロナウイルスへの対応で悩まされた１年でした。４月の緊急事態宣言を受けて、会館の閉鎖、法律相談センターでの面談相談の中止を決断し、予定していた行事の中止または延期もしました。感染防止策など徐々に知見が得られてきたことから、活動を段階的に再開してきましたが、その判断の当否について、今、振り返りながら自問自答しています。

ワクチン接種が始まったというものの、まだまだ新型コロナウイルスの暗雲が世の中を覆っています。関連して生じる、取引関係、労働、貧困、差別やいじめ、ＤＶ等様々な法的問題に対して、愛知県弁護士会としても、まずは各種法律相談を通じて、引き続きその対応に万全を期したいと思います。

さて、３２回目を迎える当会の人権賞、今年度は、「ボート・ピープル」としてベトナムを離れ来日し、当初の志のとおり司祭となり、献身的に在日ベトナム人の支援を地道に継続してこられた大海明敏さんが受賞されました。私は大海さんとはほぼ同年代ですが、大海さんが辿ってこられた道のりと私のこれまでとを思わず重ねてしまいましたが、そのご労苦と高い志、人に寄り添う実践を知ったとき、大きな感動に包まれました。当ＨＰでその活動内容を紹介していますので、是非、ご覧いただきたいと思います。

最後に、弁護士法第１条１項について話します。ここでは

「弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。」

と定められています。愛知県弁護士会の会長として、間近で、この使命を果たすために当会会員が関連機関とも連携したりして各方面で活動していることに多く接し、また、各方面からも期待されていることを感じて、あらためて、この規定の「重み」が身に沁みた１年間でした。

今後とも愛知県弁護士会をどうぞよろしくお願いいたします。

１年間、本当にありがとうございました。

２０２１年　３月１日　　　　　　　　　　　　　　　愛知県弁護士会会長　　山下　勇樹

副会長

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