弁護士でない者が、報酬を得る目的で、法律事件に関する法律事務を業として行うことは、一部の例外を除いて、非弁行為として、弁護士法72条によって禁止され、刑事罰の対象にもなります。また、弁護士が非弁業者から事件の紹介を受けたり、非弁業者に自分の名義を使用させたりすることは、非弁提携として、弁護士法27条によって禁止され、刑事罰の対象になるほか、非弁行為が疑われる者からの紹介なども、弁護士職務基本規程で禁止されています。
非弁行為は、法的知識経験が担保されていない者が他人の法律事務を扱うことになるため、市民は、本来得られるべき適正で良質な法的サービスを享受する機会を阻害され、正当な法的利益の実現が図れなくなるばかりか、自らの利益だけを求める非弁業者によって法外な金員を支払わされる事例も少なくありません。そして、非弁提携行為は、このような被害を助長するとともに、弁護士の信頼を大きく失墜させるものです。
近年、無資格者の非弁行為のほか、他士業者が法律で認められた職務の範囲を超えて、法律事務を扱う非弁行為が目につきます。そして、広告業者などと提携し、ロマンス詐欺、投資詐欺の被害救済を謳う広告により集客し、着手金等を収受しながら事件処理を適切に行わない弁護士の非弁提携行為が問題になり、逮捕者が出る事案も発生しています。
当会では、非弁・非弁提携行為が発覚したときには調査し、非弁業者に対して警告・勧告などを発して取り締まるほか、刑事告発などもしており、非弁提携弁護士に対しては懲戒処分を行っています。
今般、当会では、非弁・非弁提携行為を取り締まるための契機となる情報を得るための情報提供窓口をホームページに設置し、入力フォームを通じて情報提供できるようにしました。
少しでも早く、非弁・非弁提携行為を止めることにより、被害の発生・拡大を防ぐことができますので、非弁・非弁提携行為を撲滅するためにも、多くの情報をお寄せいただきますようお願いします。
2025年(令和7年)3月31日
愛知県弁護士会
会長 伊 藤 倫 文