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名古屋大学法学部生向けに模擬法律相談を開催しました ~体験してみよう、民事弁護のやりがい~

会報「SOPHIA」令和2年12月号より

法科大学院委員会 委員 永 尾 光史朗

1 模擬法律相談の開催
 11月25日午後1時から午後7時まで、名古屋大学東山キャンパスにおいて、同大学大学院法学研究科宮木康博教授による法学部生向けの刑事法ゼミ(宮木ゼミ)の学生らに対し、模擬法律相談を行いました。
 なお、参加者全員がマスクを着用して検温を受け、相談スペースにアクリル板を設置するなど、感染症対策を万全に施した上で、対面で実施しました。


2 模擬法律相談開催の目的
 法科大学院志望者の数は、平成16年に約7万人、平成27年に約1万人、平成30年に約8000人、平成31年に約9000人、令和2年に約8000人と推移しています。
 このような状況から、近年、法曹志願者の減少が懸念されているところです。
 そこで、当委員会は、一昨年から、法曹志願者の増大を目指すことを目的として、模擬接見を行ってきましたが、今回は趣向を変え、模擬法律相談を行うこととしました。模擬接見と合わせて3回目ということになります。


3 模擬法律相談の内容
 模擬法律相談には、宮木ゼミのゼミ生(法学部2~4年生)が47名、宮木ゼミの卒業生(法科大学院在学生)が6名、弁護士17名と宮木教授が参加しました。
 昨年の模擬接見において弁護士が被疑者役を担当したところ、臨場感があって勉強になると好評でした。そこで、今回も相談者役は弁護士が担当することとしました。
 シナリオは、離婚、相続、賃貸借の3種類を用意し、法律相談時間は30分、終了次第、相談者役の弁護士が講評を行いました。離婚の事例においては、不貞行為の慰謝料はいくらか、養育費はいくらかなど一般的な相談を行いました。相続の事例においては、一般的な相談の他、複数の相続人から同時に依頼を受けることにリスクはないかという実践的な問題について学生に考えてもらいました。賃貸借の事例では、やや無理筋の相談についてどのように対応するか考えてもらいました。
 宮木ゼミは刑事法を学ぶゼミですので、学生の中には本格的に民法の勉強をするのが初めてという方もいました。それでも、チームで手分けするなどして、できる限り準備していたのが伝わりました。
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4 弁護士と語る会
 今年も学生らと弁護士で弁護士業界の実態等について語る機会を設けました。学生らからは弁護士を志したきっかけ、弁護士の働き方、試験勉強の仕方等について質問がありました。学生らの中にはまだ進路選択に悩んでいる人もおり、弁護士の話を熱心に聞いていました。当委員会は若手会員が多いため、学生は親近感をおぼえていたと思います。


5 今後に向けて
 今般の情勢に鑑み、オンラインでの開催も検討しましたが、宮木ゼミから対面での開催を実現したいとの要望があり、感染症対策を万全にした上で、対面で開催することができました。対面で実施したからこそ、弁護士の仕事の魅力が強く伝わったと考えています。来年も引き続き開催し、法曹志願者を増大させるため、尽力したいと思います。