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2025年 新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、愛知県弁護士会の活動にご理解、ご協力を賜り、誠にありがとうございました。本年も引き続きよろしくお願いいたします。
愛知県弁護士会では、名古屋市を中心とする本会と、西三河、東三河、一宮、半田の各支部において、公益的活動、人権擁護・救済活動をはじめ、愛知県全域にわたって、良質な法的サービスの提供に努めています。
弁護士の使命は、基本的人権の擁護と社会正義の実現であり、弁護士は、具体的な案件において、その使命に基づき、職務を行うほか、社会秩序の維持、法律制度の改善にも努めることが求められています(弁護士法1条)。
当会では、多種多様な委員会活動を通じて、高齢者・障がい者、子ども、外国人、消費者、犯罪被害者などの人権擁護・救済活動、労働問題、公害対策・環境保全、災害対策・被災地支援、中小企業支援、被疑者・被告人のための刑事弁護活動の充実、民事・家事代理人活動の充実、法教育、法曹養成などの活動を行っています。
昨年は、9月に袴田事件で再審無罪判決が確定しました。冤罪を晴らすために1966年(昭和41年)の事件発生から58年もの年月を要しました。また10月には、1986年(昭和61年)に起きた、福井女子中学生殺人事件で再審開始決定が確定しました。この事件につきましては、これからも審理が続きますが、いずれの事件においても、再審手続の問題点が浮き彫りになりました。当会においても、再審法改正の早期実現に向けて活動を続けていきます。
そして、プレサンス事件における検察官による取調べ状況の録画映像を多くの方が目にしました。行き過ぎた刑事事件の取調べの改善が必要であることは明らかです。取調べの可視化(全過程の録画)、弁護人の立ち会いなどの実現に向けての活動を行います。
また、昨年は、東京都知事選挙、衆議院総選挙、兵庫県知事選挙などにおいて、選挙のあり方が問われました。特に、SNS、動画サイトによる選挙の影響力を考えたとき、マスメディアを含め、有権者に提供がなされる情報はどのようであるべきかなどが問題となっていますが、民主主義の根本に関わるものであり、慎重な議論を進めていきたいと考えています。
そのほか、個人のアイデンティティの問題であり、社会活動の障害となりうる夫婦同姓制度を変えるべく、選択的夫婦別姓制度の実現などにも取り組んでいきます。
このように、社会の様々な問題に取り組み、社会の至るところに、良質な法的サービスを提供し、法の支配を実現するためには、次代を担う若者に法曹の活動に興味をもち、我々の世界に入って一緒に活動してもらいたいと思っています。そのためにも、今まで以上に、法曹、弁護士、当会の魅力を発信していきます。
愛知県弁護士会は、本年も基本的人権の擁護と社会正義の実現のため、全力を尽くします。皆様方におかれましては、引き続き、当会の活動へのご理解、ご支援をよろしくお願いします。
2025年(令和7年)1月1日
愛知県弁護士会
会長 伊 藤 倫 文