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真夏の熱闘 弁護士vs.中高生 弁護士に挑戦!

小学生・中学生・高校生のためのサマースクール2024
真夏の熱闘 弁護士vs.中高生 弁護士に挑戦!

会報「SOPHIA」令和6年8月号より

法教育委員会 「弁護士に挑戦!」チーム長 奧 村 真 由

1 8月6日、過去最多54名の中高生が弁護士にディベートで挑む「弁護士に挑戦!」が行われました。自分自身の本来の意見とは異なる立場であっても、指定の立場から討論するのが当講座のルールです。

2 中高共通テーマ「救急車を有償化(自己負担一律1万円)にすることに賛成か」【生徒:反対】

(1)第1試合(中学生)

 第三者が救急車を要請できなくなる、無理に通院して事故が発生するとの生徒の主張に対し、救急車不足、某遊園地のチケットだとみんな躊躇なく支払うのだから命が助かるために1万円は安いと反論し、何とか弁護士が勝利!(生徒3:弁護士4)

(2)第2試合(中学生)

 1万円の重みはお金持ちの人の方が軽いから、むしろお金持ちの人が本来の目的以外で救急車を使用しモラルハザードが起きるとの生徒の主張に対し、自身の大怪我の経験をもとに反論したものの、僅差で生徒が勝利!(生徒4:弁護士3)

(3)第3試合(中学生)

 救急安心センター事業♯7119の提案、お金さえ払えば良いと開き直り逆に利用が増加するとの生徒の主張に対し、高速道路を例に救急車の社会的インフラを強調し反論したものの、するどい再反論があり生徒の圧勝!(生徒5:弁護士2)

(4)第4試合(高校生)

 生徒は利用の抑制と医療格差の拡大という観点から問題点を述べるも、弁護士が不適正な利用抑制による医療の適正化について主張し、連勝記録を更新!(生徒1:弁護士5)

3 中学生テーマ「75歳以上の高齢者に運転免許の返納を義務づけることに賛成か」【生徒:反対】

(1)第1試合(中学生)

 検査で個別の判断をすべきとの生徒の主張に対し、次の検査までの間に認知能力が低下する危険があること、公共交通機関や相互扶助等の代替手段があると弁護士が反論。公共交通機関の財政問題について議論がヒートアップする場面も。結果として、生徒が勝利!(生徒5:弁護士3)

(2)第2試合(中学生)

 孫との関係維持、地方の医療体制といった生徒の主張に対し、地方政策等の両立する対案や、命の尊さをもって弁護士が切り返した。返納後の無免許運転増加の再反論に対し、高齢者は法を守ると弁護士が反論したものの生徒が圧勝!(生徒6:弁護士2)

(3)第3試合(中学生)

 生徒は、買物難民発生や健康の悪化を挙げつつ、代替案として検査による返納を主張。弁護士が、高齢者の運転によって命が奪われる危険性を述べたものの、高齢者以外でも事故を起こすことや自動運転の普及について再反論がなされた。満を持しての元チーム長の初挑戦も生徒が完勝!(生徒7:弁護士0)

4 高校生テーマ「安楽死を許可する制度を導入することに賛成か」【生徒:賛成】

 昨年は中学生と対戦して完勝したため、次は高校生と戦いたいという弁護士の希望により実現した戦い。生徒から、耐え難い痛みを伴う治療を行わせることも人が人に苦痛を与える点では変わらないとのするどい指摘があったものの引き分け!(生徒2:弁護士2)

5 参加者からは「次はもっと成長した姿で戦いたい」との再戦希望や司会陣の法に興味を抱かせる司会ぶりによるものか「憲法を調べてみる」との回答もありました。生徒がこれを機に法や弁護士に興味を持ってくれたら幸いです。