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東三河支部で法の日記念行事開催!

法の日記念行事
東三河支部で法の日記念行事開催!

会報「SOPHIA」令和元年10月号より

東三河支部 広報委員会 委員 鴨 下 卓 治

1 はじめに

 東三河支部法の日記念行事が10月6日(日)、豊橋商工会議所にて、開催されました。
 行事の前半は担当弁護士による法律相談、後半は主として、弁護士会東三河支部の独自企画、講師による講演が行われました。

2 法律相談

 担当弁護士による法律相談は各30分間の法律相談を25枠設定し、約半分の枠で法律相談が実施されました。

3 独自企画

 東三河支部の独自企画は、ニュースを解説する演劇を行いました。テーマは、ヤマハ音楽教室等の音楽教室とJASRACとの間の訴訟についてであり、大塚公美子委員・菊地令比等委員・原春加委員に解説していただきました。
 音楽教室に対する楽曲使用料請求の可否という、市民の方々にも身近な問題に対して、来場者に法的問題点をご理解いただけたことと思います。解説中の大塚委員、菊地委員の素晴らしいピアノ演奏に来場した観衆はウットリと聴き入っていました。

4 講師による講演

 本年度は、講師の池谷裕二氏(東京大学薬学部教授)に「脳とAIの未来」というテーマでご講演いただきました。会場が開演前にほぼ満席となり、かなりの盛況でした。
 講演の序盤は、AIの今日における飛躍的な発展の理由を「AIが目を持った」というフレーズで解説していただきました。AIそのものは80年代から存在し、近年の計算能力の向上、情報技術の発展によるビッグデータ、視覚回路の活用により、AIが飛躍的に発展したという経緯を解説していただきました。
 中盤以降は、人は人らしさを誤解しているのではないか、というテーマで脳とAIの違いについて、お話していただきました。
 AIは、我々が考えているより、芸術やひらめき、気遣い、カウンセリングなどの分野で優れていることをご説明いただきました。
 他方、脳は、勝手に記憶を自分の役立つものに作り替えたり思い込みでものを見たりすることを、暗記した単語を思い出させるテストや、錯覚を使ってご教示いただきました。来場した方々にも実体験として、理解していただけたと思います。
 終盤は、講師に、人間とAIの今後の関係についてお話していただきました。AIは人間の役に立つように使用されるためのものであり、人間がAIに支配されるような悲観的な未来予測に疑問を呈されると同時に、AIが真に人にとって有益なものとなりうるかという点についても、悲観的な見方を示されました。

会報令和元年10月号東三河支部法の日挿入写真.jpg

5 終わりに

 天候に恵まれたため来場者は多く、盛り上がりのある行事になりました。
 講師に先端的なテーマでご講演いただき、ご来場の方々、参加した東三河支部会員ともども関心をもって聞き入っていました。
 前年からの良い流れを継続できた素晴らしい法の日記念行事であったと思います。