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法の日週間三庁合同記念行事
半日だけ裁判員を体験してみませんか?
法の日週間三庁合同記念行事
半日だけ裁判員を体験してみませんか?
会報「SOPHIA」令和元年10月号より
広報委員会 裁判見学ガイド部会員 甲 村 友佳理
1 はじめに
10月7日午後1時頃から午後5時頃にかけて、法の日週間記念行事として、三庁合同で裁判員体験企画が開催されました。
企画の概要は、正当防衛の成否(防衛行為の相当性)を争点とした刑事事件の事例について、①法曹三者・検察事務官・裁判所事務官に参加者も交えての模擬裁判の実演、②参加者による模擬評議を行い、その後、③検察庁・弁護士会・裁判所の業務説明と質疑応答を行うというものでした。
企画には20代から70代まで幅広い年齢層・職種から39名もの市民の方々の参加があり、大盛況となりました。
2 模擬裁判
模擬裁判は、名古屋地裁902号法廷にて行われました。始めに司会者から本件事例の概要、刑事訴訟手続の流れ、刑事裁判の基本原理についての説明がなされ、続いて、当会の桝村海士会員をはじめとする現役法曹らによる模擬裁判の実演が行われました。
模擬裁判は、冒頭手続から、証拠調べ手続(冒頭陳述、証人尋問、被告人質問)、最終弁論手続(論告、弁論、被告人の最終陳述)まで一通りの公判手続が実演されました。
今年度は、参加者から希望者を募り、10名の方に裁判員席及び補充裁判員席に着席してもらい、実際の裁判員と同じ目線で模擬裁判をご覧いただきました。
参加者は、続く評議に向けて時折メモを取るなど、熱心に傍聴されていました。
3 評議
模擬裁判の後は、会場を裁判員選任手続室に移し、参加者による模擬評議が行われました。評議は、3つのグループに分かれて、法曹三者がそれぞれのグループの司会を務め、各参加者が裁判員となり、争点(防衛行為の相当性)について議論を交わし、被告人が有罪であるか無罪であるかを判断していただきました。
各グループとも評議開始から活発な議論が繰り広げられていました。結果は、Aグループは有罪8名・無罪6名、Bグループは有罪5名・無罪8名、Cグループは有罪1名・無罪10名・保留1名となりました。各グループの司会からは、参加者から多様且つ鋭い意見が出されたこと等が発表されていました。
4 業務説明・質疑応答
評議の後は、菊池静香検事、筆者、入江恭子裁判官から、法曹三者の日々の業務について説明を行い、その後、参加者から法曹三者への質疑応答が行われました。
質疑応答では、15分の時間内では収まりきらないくらい沢山の方の挙手をいただきました。特に、裁判官は休暇が取れるのか等、テレビドラマなどで取り上げられることの少ない裁判官という職業の実態について興味を持つ方が多くいらっしゃいました。
5 おわりに
今回の企画を通じて、市民の方々の司法への関心の高さを実感することができました。市民の方々には、多様な視点・意見をもって企画に参加していただき、広報行事として大変有意義なものとなったと感じています。