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憲法週間記念行事 「ハイ、マイフレンド~ヨシダナギのちょっとピントのあまい話」開催される

会報『SOPHIA』令和元年6月号より

広報委員会 記念行事部会 春チーム チーム員 前 澤 啓 介

1 はじめに

 5月25日(土)、中区役所ホールにて、ヨシダナギさん(フォトグラファー)とヨシダナギさんの活動をバックアップされている君野雅規さんをゲストとしてお招きし、名古屋市との共催にて、憲法週間記念行事を催しました。

 冒頭、まず柚原肇副会長より、ひまるんとの掛け合い(?)も交えながら、憲法の価値、そして、その中核となる「個人の尊厳」の重要性について挨拶がなされました。

2 第1部 ヨシダナギさんによる講演

 講演は、ヨシダナギさんと君野さんとの軽妙なやり取りの形で行われ、客席からは大きな笑いが何度も起こっていました。

 ヨシダナギさんは、幼少期よりアフリカ人に憧れを抱いていたそうで、2009年にアフリカへ単身で渡航されて以来、自らも同じ格好で、アフリカをはじめとする世界各地の少数民族や先住民を撮影する活動をなさっています。ヨシダナギさんは、初めてアフリカに渡航するにあたって、アフリカの現実に直面しアフリカに幻滅してしまうのではないかという恐れをもつことはなかったそうです。そのようなヨシダナギさんの生き方を示すような、「一生憧れに縛られるよりは嫌いになった方がいい」、「やってみて上手くいかなくても、それは失敗ではない」という言葉が印象的でした。

3 第2部 ヨシダナギさんとの対談

 第2部では、ヨシダナギさんに、会員との対談形式でお話しいただきました。ブラジルでも弁護士として活動し、ヨシダナギさんとまた違った形で異文化と深いかかわりをもつ大嶽達哉会員、そして、コーディネーターの安積孝師会員が加わったことで、異文化との関わりについて、カメのピザ(?)の話等たくさんの笑いも交えつつ、様々な切り口からお話しいただきました。

 ヨシダナギさんは、アフリカの最貧地域で、子どもを亡くして泣いていた女性が、翌日には笑いながら踊っていたのを見て、死生観の壁を感じる等、アフリカの受け入れがたい点や嫌な点も見たり体験したとのことですが、それでも、アフリカを好きであり続け、アフリカに行き続けているということでした。
 ヨシダナギさんは、このことを、「嫌いだけど好き」、「嫌いなものを含めて好きになる」という言葉で表されていました。このような言葉は、胸に響くものであると同時に、「個人の尊厳」の前提となる、異文化をはじめ他者との向き合い方を考えるうえで大きなヒントになるものではないかと感じました。

6月号 憲法週間記念行事 写真.jpg

4 まとめ

 当日は、500人を超える市民の皆様にお越しいただき、中区役所ホールが満杯となりました。また、若い方等も含めた幅広い層の方に来ていただきました。
 そして、冒頭の柚原副会長による挨拶から終始、明るく笑いに包まれるなかで、様々な方々に「個人の尊厳」について伝える機会を得られたことは、憲法週間記念行事として大きな意味があったと思います。