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脳トレが未来を救う

会報「SOPHIA」 平成30年 10月号より

一宮支部 広報委員会 委員 瀧本 悠

1 はじめに

 10月20日(土)、一宮市のi-ビル7階シビックホールにおいて、法の日週間記念行事が執り行われました。本年度は、「脳トレ」でおなじみの川島隆太先生(東北大学加齢医学研究所所長)が、「元気な脳が未来をひらく」というテーマで講演をされました。

2 講演

(1)スマートエイジング

 なぜ今、この国に脳科学が必要なのか、というところから、講演は始まりました。

 川島先生は、その理由について、日本が世界で最も高齢化が進んだ国だからであると主張されます。現在、日本では、総人口が減少の一途をたどり、人口に占める高齢者の割合がおよそ30%に達しようとしています。現役世代の減少は、国単位での経済的な不況に直結します。

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 それでは、どうすればよいか。そこで、脳科学が登場します。脳科学を駆使し、トレーニングや栄養療法等を通じて、脳の機能を維持する。そうすれば、個々の人間につきまとう「加齢」という現象そのものを、前向きに捉えることができます。年をとるほどに脳の機能は低下していくものだという従来の先入観を排し、「加齢」とは成長・獲得を意味し、人間の発達過程に他ならないのだと考える。こうした、「高齢者」の概念を根底から覆す思想を「スマートエイジング」というそうです。

(2)自分の脳機能の現状を知る

 現在の自分の脳機能がどれくらいのものなのか、簡単に計る方法があります。

 1から120までの数字を、なるべく速く声に出して数え上げます。かかった時間が短いほど、脳年齢は若いということになります。

 会場でも、この方法が実施されました。川島先生の合図で下を向いて数を数え始め、120まで数え終わったら、顔を上げて画面を見ます。画面上では、上から順番に20歳、30歳と年齢が書いてあり、時間が経過するごとに上から順番に年齢の文字が消えていく仕組みになっています。私が120まで数え終わり、画面を見上げると、30歳の文字が消えかかり、40歳に突入しようというところでした。少なからず、衝撃を受けました。

(3)日常の中でできる脳トレ

 脳トレというと、ニンテンドーDSのゲームソフトを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は、日常生活の中でも容易に実施できます。

 それは、新聞の速読(音読)や、料理などです。前者は、情報の処理速度を上昇させることに役立ち、後者は記憶力・同時並行処理力を向上させることにつながります。また、脳トレは上記の処理能力の向上の効果だけでなく、イライラを抑制したり注意力を回復したりする効果もあるとのことでした。

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