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「空き家シンポジウム~弁護士と考える空き家問題~」を開催いたしました

会報「SOPHIA」 平成30年 11月号より

弁護士業務改革委員会 空き家・空き地対策研究チーム長 中村 博太郎

1 はじめに

 11月1日、「空き家シンポジウム」を中区役所ホールで開催いたしました。本シンポジウムは、当会が主催する空き家に関するシンポジウムとしては初めてのものです。当会と「空家等対策に関する協定」を締結している名古屋市に共催していただきました。

 当日は、名古屋市を含む各自治体やメディアによる広報等により、平日にもかかわらず、150名近くの市民及び自治体職員等の方々が来場されました。

2 第1部 講演(名古屋市)

 第1部では、名古屋市市民経済局地域振興部主幹の伊藤俊介氏より、「空き家問題の現状と課題」についてご講演いただきました。

 講演の中では、全国的に空き家の数が増加し、15年後には3軒に1軒が空き家になると予測されていることや、名古屋市の空き家率はここ10年横ばいで推移しているが、空き家の数自体は増えていること等を、各種統計を用いて示されました。また、空き家が生じる背景として、少子高齢化の進展や世帯構成の変化、相続未登記等が要因として考えられるとのことでした。名古屋市における市政アンケート(平成27年度)によれば、空き家を所有することになった理由として、約66パーセントが「相続」と回答されている結果が示され、相続手続を放置することによる影響がわかりやすく説明されました。

3 第2部 報告(当会)

 第2部では、当会からの報告として、私が、当会の空き家問題に対する取組の内容を報告し、また、空き家に関する典型的な相談事例とその対処方法について、相続、管理、相隣関係等の分野毎に解説いたしました。なお、当会の空き家問題に対する取組としては、「空き家問題110番」、空き家研修、自治体との協定締結による連携等があります。

4 第3部 パネルディスカッション

 第3部では、伊藤倫文会員をコーディネーター、女優のいとうまい子氏、名古屋市伊藤俊介氏、田口勤会員をパネリストとして、パネルディスカッションを行いました。

 パネルディスカッションでは、いとうまい子氏が実際に経験された空き家問題を通じて、問題の発生から解決に至るまでのプロセスに関し、名古屋市からは各種制度の活用等を、当会からは各種問題の対処法等を説明し討論しました。その中で、各パネリストの経験談として、近所付き合いを日頃からよくしていたことで、いざ空き家となったときに、たとえ遠方であっても管理が容易になることがあるということが示され、市民の方々も大変興味深い様子で聴講されていました。

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5 法律相談会

 本シンポジウム終了後に、空き家に関する法律相談会を実施いたしました。8組の相談があり、相談員が対応いたしました。