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今年も白熱!! 弁護士に挑戦!

会報「SOPHIA」 平成30年8月号より

法教育委員会 「弁護士に挑戦!」チーム  チーム長 熊 田 憲一郎

1 中高生が、真剣勝負で弁護士にディベートで挑戦する、毎年恒例の「弁護士に挑戦!」が今年も行われました。

2 高校生の部  

 高校生の部は、例年1クラス(2テーマ)ですが、今年は参加者多数のため、同一テーマで2クラスを設けることとなりました。

(1)テーマ①:大学の新学期の開始を9月とすることに賛成か(生徒:賛成、ディベーター(以下省略):庄司俊哉会員、水野大輔会員)

 生徒は、9月入学となった場合、留学の機会が増えることや大学入試の時期が遅くなることで高校生活がより充実すること等を主張するも、弁護士は、就職時期が遅れることのデメリットや留学等を考えていない一般の学生に与える影響の大きさ等を述べ、いずれのクラスでも弁護士が勝利(庄司会員6:0、水野会員5:1)。

(2)テーマ②:選挙で投票に行かない人に罰則を設けることに賛成か(生徒:反対、長谷川桂子会員、藤本育子会員)

 投票率を向上させることの重要性を説く弁護士に対し、生徒からは投票率を向上させるためには罰則以外にも様々な方法が考えられること、罰則ではなく選挙に行けば何かもらえるという方がよい等の意見が出され白熱の議論となった(長谷川桂子会員1:4、藤本会員3:2)。

3 中学生の部

(1)テーマ①:地元自治体が地元プロ野球チームに対し選手獲得のための資金を支援することに賛成か(生徒:反対、福井秀剛会員)

 福井会員が熱烈に応援する広島カープのユニフォームに身を包んで行われた一戦。生徒からは、野球に興味のない人もいること、福祉に優先的に税金を使うべきであること等が主張されたが、溢れるカープ愛、野球愛から地元チームが強くなることによる経済効果等を主張した福井会員が勝利(福井会員8:1)。

(2)テーマ②:救急車を呼んだ場合に実費を自己負担するという制度を導入することに賛成か(生徒:賛成、田中由香会員)

 生徒からは、救急車に関する現状を考えると実費負担も止む無しとの主張がなされるが、命の大切さ、重症でお金のない人を救う必要性等を主張した田中会員が勝利(田中会員6:0)。

(3)テーマ③:赤字が10年続いた公共交通機関(バス等)の路線を廃止することに賛成か(生徒:反対、辻顕一朗会員)

 時にバス会社社長に、時に某市長に扮した辻会員が、赤字路線維持の困難性を訴えるも、生徒からの鋭い質問が判定者の共感を得たのか、生徒が勝利(辻会員4:5)。

(4)テーマ④:脳死患者の臓器移植を行うにあたり、本人または家族の同意を不要とすることに賛成か(生徒:反対、長谷川龍伸会員)

 生命倫理を問う重厚なテーマに挑んだ生徒達。長谷川龍伸会員からは同意を不要としても明確に反対の意思表示をしている場合には臓器移植は行われないこと等が主張され、他方、生徒からは患者の自己決定権の尊重が主張される等白熱した議論が展開されたが見事生徒が勝利(長谷川龍伸会員2:7)。

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4 参加した生徒からは、「弁護士の凄さを感じた」という感想の他、「考えたことを整理して話すことの難しさを感じた」等の感想もあり、参加者に新たな「学び」、「発見」を提供することもできたのではないかと思います。