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当会が全国に誇る「紛争解決センター」を是非ご利用下さい!

会報「SOPHIA」 平成30年5月号より

平成29年度担当副会長
長谷川 ふき子

1 はじめに

 当会の紛争解決センターは、ADR(裁判外紛争解決)機関として、平成9年4月に「あっせん・仲裁センター」の名称で開設され、平成29年度には、20周年を迎えました。20周年を記念して、昨年12月8日には、名古屋市芸術創造センターで市民シンポジウム「もしあなたが大災害にあったら~災害時のトラブル解決~」を開催し、近年の大地震の被災地で紛争解決に携わった弁護士によるパネルディスカッション等が行われ、当会の災害ADR制度の構築にあたって大いに参考となるとともに、市民に紛争解決センターを知っていただく機会となりました。

2 昨年度の動き

(1)平成29年度の紛争解決センターの受理件数は、本会182件、西三河支部27件、一宮支部11件の合計220件でした(平成29年4月1日から平成30年3月31日までの件数)。平成27、28年度と受理件数の増加が続きましたが、平成29年度は減少に転じております。しかし、依然として、全国1位の状況に変わりはありません。
(2)国際家事ADRの分野では、ハーグ条約案件について引き続き外務省の委託先事業者となり、受理件数は1件です。また、イギリスの民間ADR機関「リユナイト」との二国間共同調停についても、外務省の委託先事業者に選定され、8月にリユナイトとの間で基本協定を締結し、その後、実際に申立てがあったときの手続の進め方についての協議や、スカイプを用いた模擬調停を行うなどしました。

3 当センターの魅力的な特徴

裁判外紛争解決手続は、何といっても、当事者が主体的に問題を解決する手続であり、自主的な解決が図られるという点からも、当事者の満足度に資する手続であると言えます。更に、当会センターには、以下のような特徴があります。
(1)簡易・迅速・柔軟な手続
ア 土地管轄の定めがありません。したがって、相手方の住所地が遠方である場合や、さらには当事者双方の住所地が愛知県外にある場合にも申立てをすることができます。
イ 定型的な申立書式は、HPからダウンロードでき、事案によっては「相当な解決を求める」といった記載も可能です。
ウ 期日の開催も、あっせん・仲裁人の判断とはなりますが、時間や場所を柔軟に設定することも可能です。事案や当事者の都合などで期日設定に制約がある場合などには、柔軟な期日設定の可能性があり、魅力的です。また、同様にあっせん・仲裁人の判断の下、相手方が遠隔地にいる場合などについて、電話による期日開催の可能性もあり、利用しやすいものとなっています。
(2)複雑・専門的な紛争への対応
 当会センターの弁護士あっせん・仲裁人は、法曹経験10年以上の弁護士の中から選任されます。また、専門的知識を要する事件の解決のため、建築士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、カウンセラーなどの専門家があっせん・仲裁人として選任され解決にあたることができます。更に、医師・歯科医師が、専門委員として選任され、医事紛争の解決のために関わることができます。