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裁判見学ガイド ~もう一歩、身近な存在へ
会報「SOPHIA」 平成30年6月号より
広報委員会 裁判見学ガイド部会 部会員 塩谷淳夫
はじめに
6月6日午後0時30分から午後4時まで、一般市民を対象とした裁判見学ガイドが実施されました。30代から70代まで幅広い年齢層の市民の方18名が参加されました。
1 説明講義
はじめに、弁護士会館4階会議室において、参加された市民の方々に向けて、中根志保部会長の司会で、弁護士会及び裁判制度についての説明が行われました。
弁護士会の説明は、加藤由理委員が担当し、パンフレットを示しながら、弁護士会がどういった活動をしているかなどについて概説しました。
続いて、田島港委員より、特に刑事裁判について(刑事裁判を傍聴する予定であったため)、裁判制度及び手続の流れを説明しました。
2 裁判傍聴
説明講義の後は、3班に分かれて裁判所に移動し、参加された市民の方々と弁護士とで一緒に法廷に入って、いずれの班も午後1時台の公判期日を傍聴しました。
期日が開かれるまでの待ち時間や、傍聴終了後の移動中にも、弁護士から参加者に裁判の豆知識や「あるある」を説明したり、参加者から弁護士に質問がなされたりと、活発に交流が行われました。
3 裁判所職員講義・大法廷見学
傍聴後、午後2時30分より、地方裁判所1階に集合し、大法廷において、裁判所職員から裁判及び裁判所についての講義を受け、その後、全員で大法廷を見学しました。
大法廷見学では、普段傍聴人が入ることのできないバーの内側に入り、裁判官の法服を実際に着たり、証言台のタブレットに触ったりなど、貴重な経験ができ、参加者は興味津々といった様子でした。
4 質疑応答
最後に、弁護士会館4階に戻り、企画全体についての質疑応答がなされました。
予定された終了時刻になっても質問の手が挙がるなど、活発な質疑応答となりました。
質問内容は、弁護士の勤務形態と労働法規との関係といったものから、おすすめのドラマや新人弁護士の懐事情といった話題まで多岐にわたり、参加者にとって弁護士をより身近なものに感じてもらうことができたと思います。
5 アンケート結果と今後の課題
参加者から頂いたアンケートには、18名中17名から「今後もこのような企画に参加したい」との回答が得られ(1名は無回答)、企画全体の感想としても、「大変良かった」13名、「まあまあ良かった」4名(1名は無回答)と、概ね好評でした。
自由記載の回答欄には、裁判傍聴について貴重な経験ができたという意見と、質疑応答等で弁護士の生の声を聴き、より身近に感じられたという意見が多く寄せられました。
一方で、自らの傍聴した事件について詳しい解説がほしかったという意見も見られました。限られた時間の中で、裁判手続や弁護士業一般についての解説と、個別の事件についての解説とをどのように配分するかが、今後に残された課題として考えられます。
また、他の傍聴人の態度が怖かったという意見もあり、そうした場合のフォローの仕方についても準備しておく必要性を感じました。
今回の実施によって得られた成果と課題を、次回以降に活かしていきたいと思います。