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新企画!「憲法とアリとキリギリス」を開催しました

会報「SOPHIA」 平成29年8月号より

法教育委員会サマースクール部会
「憲法とアリとキリギリス」チーム長
鵜 飼 雅 成

1 サマースクール初日の8月1日、小学生向けの新企画「憲法とアリとキリギリス」を開講しました。
 内容は、「アリとキリギリス」を題材にした創作劇を見てもらい、アリの世界で起こった問題について、子ども達に議論してもらうというものです。本講座では、「社会的なことがらは、誰が、どのようにして決めるのか」ということをテーマに「民主主義」「多数決」などの基本的な価値について触れてもらうことを目的としていました。


2 創作劇は、冬になり食糧がなくなったキリギリスに対し、働きアリが夏の間に集めた食糧を、女王アリが独断で分けてしまうところから始まります。これに端を発し、アリたち(働きアリ、兵隊アリ、老人アリ、病気アリ)は、次のような問題に直面します。
 ①キリギリスに食糧をあげるか否かを女王アリが一人で決めて良いか。②アリたちみんなで決めるとしたら、どういう方法で決めれば良いか。③多数決で決めるとして、多数決に参加してはいけない人、参加しない方が良い人はいるか。例えば、みんなのために働いていない病気アリや老人アリを多数決に参加させずに決めてしまって良いか。④多数決で決まった結果であればどのような結果であっても良いか。例えば、生きていくためには少なくともパンが3枚は必要と言う病気アリに対し、1枚しかあげないという結果であっても従うべきか。⑤もし来年もキリギリスが食糧を分けてほしいと言ったらどうするか。食糧を分けてあげるか、食糧を分けるためのルールを決めるとしたらどのようなルールが良いか。
 以上の5つの問題についてそれぞれパートを分け、パートごとに「弁護士による劇→子ども達が班ごとに分かれて討論→各班の発表」を実施しました。

憲法とアリとキリギリス名札モザイク加工済.JPG


3 長時間の講座でしたが、パートを区切って進行した効果もあってか、子ども達には、劇や討論に集中して参加してもらうことができました。
 討論でも、柔軟な発想で活発にお互いの意見を交わし、発表の際も多くの子がしっかりと討論結果を発表できていました。


4 新企画であったことから、時間の配分や子ども達の反応など事前に読めない部分も多々ありましたが、役者や討論担当のチーム員のご協力もあり、無事に終えることができました。
 子ども達からも「劇が面白かった」「いろいろと考えるのが面白かった」「弁護士さんが一つ意見を言うたびに良いコメントを言ってくださるのがとても嬉しかった」「自分の意見がしっかり言えた」といったうれしい感想をもらうことができました。