会報「ＳＯＰＨＩＡ」　平成２９年１２月号より

あいち中小企業法律支援センター運営委員会　副委員長　北　川　ひろみ

1　12月22日、ウィルあいちにおいてシンポジウム「中小企業における女性活躍推進～女性が活きる企業・起業とは」が行われました。3月に開設したあいち中小企業法律支援センター（以下、センターと言います。）が、男女共同参画推進本部のご協力を得て、愛知県、公益財団法人あいち産業振興機構、愛知中小企業家同友会のご後援のもと、企画・開催したものです。
　職場における女性活躍推進は、大企業のみならず、中小企業にとっても大変重要な施策の一つと言われています。これは、男女共同参画社会の実現への寄与はもちろんのこと、
職場の多様化や経営効果が期待されるためです。女性活躍推進法は、300人以下の中小企業に対しても努力義務として、（1）女性活躍に関する状況把握・課題分析、（2）行動計画の策定・届出・周知・公表、（3）情報公表を行う義務を課しており、中小企業がその対策に取り組みつつあるところです。

2　シンポでは、冒頭、池田桂子会長の挨拶の後、第1部として、水野聡センター長（当委員会委員長）より、センターの事業概要と女性活躍推進のもたらす経営効果などについて紹介しました。
　第2部では、連携先である公益財団法人あいち産業振興機構の創業プラザのご出身で、女性起業家として活躍しておられる大津たまみ氏（アクショングループＣＥＯ）より、「女性目線の5つのビジネス」と題するご講演をいただきました。女性が働きにくい社会を変えたいとの思いから起業したという体験談と、女性が働き続けるための経営面での工夫などをお話いただき、文字通りそのアクションパワーに刺激を受けました。

　第3部では、宮本悦子愛知県副知事より当会への期待も込めたご挨拶を賜った上で、パネルディスカッションを行いました。
　パネルディスカッションでは、野村朋加会員をコーディネーターとして、宮本副知事の他、女性活躍推進に積極的に取り組んでおられる有限会社ソフィア企画代表取締役石塚智子氏、有限会社佐野花火店代表取締役佐野和子氏、中川博晴会員をパネリストにお招きし、女性活躍推進やワークライフバランスへの取組状況、業績への影響、問題点や課題などについて議論をしました。中川会員からは、センターで行った中小企業7社に対するアンケート等の調査結果も紹介しました。
　パネリストの方々からは、セクハラやマタハラなど女性社員の労働環境に関して弁護士に対する期待をお話しいただいたほか、センターが行っている電話相談についてスピーディかつ気軽に相談できるシステムであると大変心強いとのメッセージを頂きました。
　シンポ開催にあたりご協力を賜りました関係者の皆様には心より御礼申し上げます。センターでは、今後も法律相談や連携活動を活性化し、中小企業支援に尽力してまいります。