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一宮支部 法の日週間記念行事 「自分らしく生きる」
会報「SOPHIA」 平成29年11月号より
一宮支部会員 水 野 明 里
11月25日、尾張一宮駅前ビル(通称「iビル」)シビックホールにおいて、一宮支部の法の日週間記念行事を開催しました。
本年度は、佐藤かよさんと杉山文野さんのお二人にお越しいただき、トランスジェンダーをテーマとしたトークセッションをしていただきました。
佐藤かよさんは、テレビ出演も多くご存知の方も多いと思いますが、愛知県出身で、女性モデルとして活躍している中、もともとは男性であることをカミングアウトして話題となりました。杉山文野さんは、フェンシング元女子日本代表ですが、男性として生きる道を選び、自身の経験を織り交ぜた「ダブルハッピネス」という著書を出版し話題となった方です。
当日は、第1部で、杉山さんに自身の経験を踏まえたLGBTに関する講演をしていただきました。杉山さんは、日常生活における困難、家族や身近な人に言えない孤独、アイデンティティ-を確立できない不安のみならず、高校生時代の女性との恋愛、失恋など自らの経験を赤裸々に語って下さいました。また、LGBTの割合は、左利きの方の割合や名字ランキング4位までの割合等に近いという例を示した上で、知らないだけで身近にもLGBTであることを言えずに生活をしている方が多くいることを指摘し、LGBTを受け入れる考えであることを周囲に示す「ウェルカミングアウト」を呼びかけました。
その後、第2部として佐藤かよさんとのトークセッションをしていただきました。モデルとして活躍する佐藤さんならではの視点で、世界のLGBTに関する動きを語っていただきました。最近の話題として、海外のあるファッションブランドの店舗が、トランスジェンダーの方に戸籍上の性別の更衣室利用しか認めなかったことがネット上で非難され、すぐに謝罪と更衣室全てに男女兼用の措置がされたことが紹介されました。また、佐藤さんも、幼少期の苦悩やカミングアウトする際の葛藤、LGBTに対するお考えなどのみならず、ストレス解消法、美容法、現在の恋愛についてまで多岐にわたりお話しいただきました。
講演開始前、来場者に予め「質問票」を記入していただき、トークセッションの最後に質問票に対する回答をいただきました。小規模な講演会ならではですが、お二人が質問に対して「誰が書いてくれたの」と聞いて下さり、挙手した質問者に直接話しかけてくださる場面も見られるなど、来場者にとって大変満足度の高い講演会になったのではないかと思います。
また、当日は当会の公式キャラクターひまるんが登場し、そのとても可愛いらしい動きに来場者のお子さまのみならず、大人までもひまるんに夢中となりました。
来場者数も例年を上回り、内容に関しても法の日週間に相応しいとても充実した記念行事になったと思います。