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中部経済新聞2017年12月掲載
ひまるん相談室~一定の法定相続人には「遺留分」の権利~
中部経済新聞2017年12月掲載
ひまるん相談室~一定の法定相続人には「遺留分」の権利~
【質問】
父が亡くなりました。相続人は私と兄の二人です。
父は、私が知らない間に、すべての財産を兄に相続させるという内容の遺言書を作成していました。
このような遺言書がある以上、父の相続財産はすべて兄が相続して、私は1円ももらえないのでしょうか。
【回答】
被相続人は、自己の財産を誰に相続させるのか遺言によって自由に決めることができるのが原則です。
しかしながら、被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人には「遺留分」という、遺言によっても侵害されない、相続財産の内、一定割合の財産を取得する権利があります。
被相続人の子であるあなたの遺留分の額は法定相続分2分の1の2分の1、すなわち、相続財産の4分の1となります。
従って、すべてをお兄さんに相続させる旨の遺言書があったとしても、相続財産の4分の1についてはあなたが取得する権利があります。
具体的な手続としては、あなたの遺留分を侵害しているお兄さんに対して、遺留分減殺請求を行うことになります。
なお、遺留分減殺請求権は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから
1年間行使しないとき又は相続開始から10年を経過したときには時効によって消滅してしまいますので迅速な対応が必要です。
詳しくは弁護士までご相談ください。