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サンクトペテルブルク国際会議~日露法律家協会の設立~

会報「SOPHIA」 平成29年6月号より

国際委員会 委員 小 川 晶 露

 5月16日から同月20日まで、サンクトペテルブルク国際会議とロシア連邦弁護士連合会の国際年次大会に参加してきましたので、ご報告申し上げます。

 日弁連は、2014年の国際法曹協会(IBA)東京大会の機会に、ロシア連邦弁護士連合会と友好協定を締結しました。今般、同協定に基づく交流の一環として、ロシア連邦共和国の美しい古都サンクトぺテルブルクを訪問しました。個人的には、今回が既に6回目の訪問になります。

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【サンクトペテルブルク国際会議会場】

 ロシア連邦共和国は、3年前(2014年)にロシア弁護士制度の創生年(1864年)から150周年を迎えました。本年度の国際年次大会にも、アメリカ合衆国、ドイツ、フランス、イングランド&ウェールズ、シンガポール等、各国の弁護士会の現役の会長・副会長等が出席し、日弁連からも幸寺覚前副会長が参加しました。経済制裁を受ける等、昨今の芳しくない国際政治情勢にもかかわらず、各国弁護士会の役員がロシアという地で一堂に会するというのは、有意なことと思われました。  

 ところで、毎年5月にサンクトペテルブルクで開催される国際リーガルフォーラムは、決して歴史は長くないですが、本年度も77ヵ国から3700人が参加し、IBA本大会に準ずる規模に達しています。文字どおり世界最大級の法律家国際会議であり、ヨーロッパでは非常に著名な催事になっています。

 さて、本年度のフォーラム参加で特筆すべきは、標題のとおり、『日露法律家協会』(Япония-Россия Совет Адвокатов)を創立したことにあります。この協会は、日本側の川村明元IBA会長とロシア側のエレーナ・ボリシェンコ前司法副大臣が中心となって日露双方で声掛けを行い、サンクトペテルブルク国際会議の賛助の下、日露双方が一つの団体として協会を設立したものです。私は日弁連ロシア交流チーム長をしており、この協会の創立総会の日本側司会者(Co-Master)をしましたが、日弁連と、ロシア連邦弁護士連合会の役員に加え、来賓としてアレクサンドル・コノヴァロフ司法大臣や福島正則日本国総領事がご臨席になり祝辞を述べられるなど、普段なかなか会えない方を前に、司会をするのも少々緊張しました。  

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 ロシアというと政治が恐そう(?)とのイメージもあるかもしれませんが、一般の人々は、人懐こくて、ユーモアと芸術が大好きで、教育水準も非常に高いです。日本人のことも大好きで、寿司レストランはモスクワに2000軒以上あると言われています。  

 私は、単なる愛知の町弁ですが、今後も協会の事務局長(日本側)という立場で、人と経済の交流の一助となるような有意義な活動を行っていきたいと考えています。