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「ミライトラベルDAY」参加報告! ~小学生に、弁護士の仕事を体験してもらいました~
会報「SOPHIA」令和7年3月号より
副会長 荒川 武志
「ミライトラベルDAY」は、名古屋市教育委員会キャリア教育推進センターが企画した、様々な職業体験をしてもらおうという小学生向けのプログラムです。吹上ホールにて、11月下旬、1月下旬、合計4日間実施されており、そのうち1月29日に、当会も出展することになりました。ただ、告知が来た段階で、このような企画を所管する委員会が明確でなく、応募までの間に調整できなかったため、理事者主導で企画に参加することとし、企画、運営や資料の作成、当日の講師を、私のほうで行いました。
当日は、30の企業や団体が出すそれぞれのブースで職業体験が行われ、1コマ45分の企画を4回繰り返し、1コマ20名程度(事前に割り当てられていたようです)、全部で約80人の小学生を相手に話をすることになります。
その1コマの内容をご紹介します。
自己紹介をした後、「約束したのに友達がマンガを貸してくれない」というストーリーのシナリオを朗読する形で模擬裁判を行い、当事者役の弁護士を相手に、弁護士になりきって尋問を体験してもらいました。小学生は、シナリオに従って順番に読み上げるだけですが、雰囲気を感じ取りながら弁護士になりきることを素直に楽しんでくれていたと思います。また、抽選に外れて体験できなかった生徒にも、どういう解決をするのがいいのかを考えてもらいました。どちらが正しいかがすぐに決められない問題が身近にもあるということも、理解してもらえたのではないかと思います。
次に、弁護士の仕事を紹介しました。資料として配付した「弁護士になろう!☆8人のチャレンジ」を踏まえ、いろいろな分野で活躍できることを説明したほか、弁護士は世の中の争いを上手に解決する仕事であること、人権を守ることの意味などを説明しました。
中でも、小学生の興味を引いたのが、「なぜ悪いことをした人を弁護するのか」という素朴な疑問についての話です。無罪推定やえん罪の可能性を踏まえた話はもちろんしましたが、むしろ、小学生には、「お父さんやお母さんに怒られたとき、自分は悪いってわかってても、『だけど私の話も聞いて欲しい』って思うときもあるよね? その時に誰か味方になってくれる人がいたらなぁ...って思わない?」という話が、一番、共感を持ってもらえたようです。
その後、終了時間まで、小学生からの質疑応答の時間を取りました。弁護士になった理由、どこにやりがいを感じているかという良くある質問のほか、「こういう場合は罪になるの?」という、ちょっとビックリするような質問もありました。
これ以外にも、この1コマの前後の待機時間中に、雑談したり、弁護士バッジを触ってもらったり、六法をめくってもらったりしました(六法が一番人気だったというのが、意外な発見でした)。これにより、開始前に、小学生と打ち解けた雰囲気ができ、企画もスムーズに進めることができたと思います。
小学生は、何でも積極的に吸収しようという意欲にあふれていて、その小学生に対して「弁護士とは何か」を語ることは、弁護士を知ってもらうという意味で有益なことです。そして何よりも、小学生の生き生きとした顔を目の当たりにしながら、弁護士の仕事を体験してもらい、また弁護士の魅力を語ることは、かけがえのない体験でした。
この「ミライトラベルDAY」は、来年度も企画されるのではないかと思います。多くの小学生にとって、弁護士を知る、また弁護士を身近に感じる、そのきっかけの一つになればいいなぁと思います。