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イーブルなごやとの懇談会と「女性の権利110番」
会報「SOPHIA」令和6年7月号より
両性の平等に関する委員会 委員長 岡村 晴美
1 イーブルなごやとの懇談会
(1)「女性のための総合相談」に関する報告
6月12日に、名古屋市男女平等参画推進課(イーブルなごや相談室)と当会の懇談会を開催しました。弁護士会館及びZoomを利用したオンラインのハイブリッド開催で、イーブルなごや相談室から12名、当会から10名の会員が参加しました。
イーブルなごや相談室から、名古屋市が実施している「女性のための総合相談」の相談状況についてご報告がありました。昨年度の相談件数は、総数が3678件であり、一昨年度と比べて105件増加し、全体の25%がDV相談だったそうです。今回、相談件数が増加した要因の一つとして、令和5年8月~10月に試行的に実施されたLINE相談66件が含まれていることが挙げられました。LINE相談の利用者は、20、30、40歳代が多く、電話相談に比べると若い世代が利用する傾向があるそうです。なお、名古屋市では、令和6年度より、「女性のためのLINE相談」を週2回(月曜日13時~16時、水曜日17時~20時)実施しているそうです。
(2)懇談事項
イーブルなごや相談室からは、DV防止法や共同親権制度の導入を含む家族法(民法)の改正に関する質問がなされ、懇談を行いました。DV防止法については、改正前において保護命令の利用が極めて低調であったこと、改正法施行後間もないこともあって改正の影響は現時点では感じられないが今後増加していくのかどうか注視したいという報告がありました。家族法改正については、共同親権に関してDV被害者側の不安が大きいこと、施行までの2年間にどの程度、弊害を除去できるのか、現時点では不透明であるなどの意見が交わされました。
弁護士会からは、DV被害者からみて望ましい代理人活動についての質問がなされ、離婚が進まないこと、弁護士と連絡が取れないこと、相談者の希望をきいてもらえないことによる不安や不満が寄せられているとの指摘がありました。事件が進まないことや、相談者の希望どおりにいかないことについては、事案によってやむを得ない場合もあるだろうが、気持ちに寄り添い、丁寧な説明をすることで、不安や不満が解消されるのではないかなどの意見が出されました。
最後に、「女性の権利110番」に関する打合せを行い、今後も、イーブルなごや相談室と当会とで連携して、暴力にさらされている女性の支援など、両性の平等に関する取組を行っていくことを確認しました。
2 「女性の権利110番」(全国一斉女性の権利ホットライン)の実施
イーブルなごや相談室にて、今年も女性の権利110番が開催されました。これは、毎年全国の弁護士会において6月23日から29日までの期間(男女共同参画週間)を中心に実施されている、女性の権利に関する無料相談です。愛知県では、6月25日の10時から15時までの間、面談相談12枠と電話相談の方法で実施しました。
当日は、10時の開始と同時に3回線の電話が同時に鳴り、その後も、コンスタントに電話がかかり続け、電話相談全体の件数は15件でした。12枠あった面談相談も、全ての枠が予約で埋まり、イーブルなごや相談室の相談員の方も同席して、丁寧なフォロー体制のもと、無事実施できました。