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模擬法律相談に参加させていただきました

会報「SOPHIA」令和6年1月号より

名古屋大学法学部4年 竹  中   蓮

1 私は12月13日に開催された模擬法律相談に参加しました。私たち参加学生はグループに分かれ、弁護士役として、相談者役の弁護士の方を相手に、「離婚」、「企業法務」、「労働」をテーマに法律相談を行いました。
 事前準備の段階で学生には3テーマ合わせて約1ページ分の相談者の情報が与えられていました。与えられた情報は相談の種類と概要程度であり、私たちはそこから相談者が相談に来る目的を把握し、法的問題を想定して解決策を考え、そのために聞くべき内容を事前に用意しておく必要がありました。この準備は容易ではありませんでしたが、仲間と協力し、意見交換をしながら進めていくことで、自分自身では気が付かない多様な視点から物事を考えるよい機会となりました。


2 当日は、弁護士として、相談者から聴取した話の内容や、相談者が持参した資料を踏まえ、その疑問や悩みを解消できるように努めました。法律相談の中で、想定外の事実が判明し、回答に困る場面が何度もありました。約30分間の法律相談1つ行うのも容易ではないのにこれを日常的に行うことなんてできるのかと不安にもなりましたが、解決できた喜びとうまく対応できなかった悔しさを感じる中で、最後には、弁護士になりたいと強く望んでいる自分がいました。


3 模擬法律相談を振り返ると、私は2つのことを学ぶことができたと考えています。
 1つ目は弁護士として働くうえでコミュニケーション能力が重要だということです。相談者は法的問題か否かを問わず、様々な話を弁護士にします。弁護士はその中から必要な情報を抽出し、時には自ら情報を引き出さなければなりません。その際に重要になるのがコミュニケーション能力です。必ずしも専門知識を有しない相談者との会話では、難しい内容を難しく感じさせない話し方が必要です。実際に模擬法律相談の中でその奥深さ、難しさを身をもって知ることになりました。この経験を忘れず日々の勉学に励みたいと考えています。
 2つ目は相談者の話を先入観を持たずに聞く必要があるということです。離婚の相談で、最後に、実は相談者も浮気をしていたという話が出ました。私は相談者がそんなことはしないと思い込んでおり、驚いてしまいました。しかし、そもそも、そのような前提があるわけではありません。適切な判断をするには、先入観を持たずに相談者の話に耳を傾け、必要な情報を収集し、その他の客観的事情や経験則・論理則を踏まえて考えていかなければいけないと気付きました。


4 このほかにも、昨年開催できなかった弁護士の方々との懇親会では、直接に実務や将来像などについてお話することができました。将来、弁護士として、人の疑問や悩みを解消していきたいと再認識することができました。このような機会をいただけたことは参加者全員の大きな糧となったと思います。今後もこのような機会があれば是非参加させていただきたいですし、いつか自分自身が提供できる立場になりたいと思います。この度は本当にありがとうございました。