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法テラス三河法律事務所の取組

法テラススタッフ弁護士との意見交換会
法テラス三河法律事務所の取組

会報「SOPHIA」令和4年7月号より

法テラス三河法律事務所スタッフ弁護士 松尾 久美、大嶋 功、遠藤 彰子、大野 邦明

1 はじめに
 7月5日、当会会館において法律援助事業・法テラス対応委員会主催の意見交換会が開催され、法テラス三河法律事務所所属のスタッフ弁護士の取組について報告させていただきましたが、広く周知したほうがよいのではないかとのご助言をいただいたことから、この場をお借りして、同取組をお伝えいたします。
2 法テラス三河法律事務所のスタッフ弁護士とは
 一般にスタッフ弁護士は、弁護士登録後1年間、一般の法律事務所に勤務し、同所でのOJT研修のほか、日弁連及び法テラス本部の研修を受けた後、全国各地の法テラスの法律事務所に赴任し、概ね2~3年ごとに各地にある法テラスの法律事務所間を異動します。
 法テラス三河法律事務所は、日本司法支援センター愛知地方事務所三河支部(以下「法テラス三河支部」といいます)と同じく、岡崎市役所内にあり、現在、スタッフ弁護士4名体制で執務しております。東西三河地域の民事法律扶助事件、日弁連委託援助事件、裁判員裁判も含めた国選事件、成年後見事件等を担当しています。
3 相談・受任事件等の特徴
(1)概要
 障がいを抱えている方、福祉面での関与が必要な方、通訳が必要な外国に繋がりのある方(外国籍の方や、親が外国出身者である方等)、これまで弁護士と繋がることが難しかった方を中心に事件を受任しています。
 法律相談については、日本人だけでなく、通訳が必要な外国に繋がりのある方を相談者とする法律相談援助のほか、高齢者等への出張相談や特定援助対象者法律相談援助等、事務所外での相談も行っています。また、岡崎市等の地方公共団体や弁護士会と連携し、生活困窮者相談も担当しています。
(2)障がいを抱えている方の相談等
 法テラス三河支部には、障がいを抱えている方もよく法律相談に訪れます。障がいを抱えている方の相談では、安定した就労継続や家計管理の困難さから債務が増加したケースも多く、債務の整理と共に、生活全般の支援が必要なケースも多いです。障害年金等の社会保障関連の法制度の利用や依頼者の特性にあった就労先の確保、家計管理の支援等、地域の行政機関、福祉機関と連携し、障がいを抱えている方のその後の支援に繋がるようにしています。
(3)通訳が必要な外国に繋がりのある方の相談等
 法テラス三河支部では、毎月第1及び第3木曜日に、通訳が必要な外国に繋がりのある方のための法律相談の専門枠を設けて法律相談を実施しており、私たちスタッフ弁護士も相談担当者として多くの相談を受けています。本年度から、オンライン通訳を活用した法律相談も実施しています。当該業務では、入管手続や渉外家事事件等に関する専門知識のみならず、相談者を取り巻く生活環境やその背景についての知見も必要となります。