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憲法週間行事 法曹三者合同の憲法週間行事 「オンライントークライブ」が開催されました!

会報「SOPHIA」令和4年6月号より

広報委員会 副委員長 三 島 宏 太

1 6月3日午後1時30分から50分間にわたり、名古屋高等・地方裁判所、名古屋高等・地方検察庁及び当会の法曹三者が合同で、憲法週間行事として「オンライントークライブ」を開催しました。憲法週間行事は、従前は市民の参加者に三庁に実際に足を運んでいただき実施していたものですが、コロナ禍での工夫としてオンラインライブで実施しつつ、事前に視聴者からの質問を受け付けることで双方向の参加を可能としたものです。出演者の岩谷彩裁判官(名古屋地方裁判所民事部)、 岡部正樹検察官(名古屋地方検察庁公判部)、 田島港会員及び司会の小出麻緒会員が当会会館地下会議室に集まり、視聴者とZoomウェビナーで結びました。当日は主に法学部生等51名が視聴しました。

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2 司会の小出会員が、事前に受け付けた質問のうち、法曹になろうとしたきっかけ、職務の案件数、プライベートの過ごし方等10あまりの項目を各出演者に尋ねました。

 これに対して、田島会員が法曹を目指したのはキムタクのTVドラマ「HERO」で検察官に憧れたのがきっかけだと答えれば、岡部検察官は「HERO」が検察官と検察事務官の関係について本質を外さず描いていると応じたり、岩谷裁判官は初めて赴任した名古屋で観光地や喫茶店を巡っているというプライベートを披露したりと、柔らかい雰囲気でトークが進みました。

 成人年齢の引下げというテーマでは、岩谷裁判官と岡部検察官が裁判員裁判に若い感性を反映させることの意義を説いたり、田島会員が消費者契約法の改正の問題点を指摘したりして、若い視聴者が法律を身近に感じることのできる話題も盛り込まれました。また、裁判官には外部経験としての海外留学や民間勤務などもプログラムが用意されていること、検察官にも法務省や在外公館での勤務も多くあること等、法曹を目指す視聴者にとって刺激となる事情も紹介されました。

 法曹としての本質に迫る質問に対しても、各出演者が真摯に回答しました。田島会員は、例として幼い子の面会交流等では当事者の感情の衝突で格別の苦労を感じるとしつつ、それでも依頼者から感謝や安堵の言葉を聞くことで感じるやりがいが苦労を超えることを説明しました。岩谷裁判官は、悩ましい事件では結論の異なる二つの判決文を書いて検討するなど、悩むことを含めて裁判官の仕事と捉えているとしたうえで、裁判員裁判で裁判員とともに悩みながら結論を出したことが特に印象に残っていると述べました。岡部検察官は、極刑を免れないと予想される事件で被疑者の取調べをした経験を挙げ、凶悪な事件でもその被疑者の人格全てが凶悪ではないと知ったうえでなお、検察官として結論を出したことを明かし、検察官が担う役割の重さを語りました。

3 一堂に会した各法曹が、共感しつつそれぞれの特徴をアピールできたことは、視聴者にとっても貴重な機会になったものと思います。視聴者のアンケートでも「良かった」が75%を占めるなど、好評をいただきました。