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「あつまれ!リーガル女子」シンポジウム ~今年もリモートで開催しました~

シンポジウムチーム員 中 山 裕 徳

1 はじめに
 3月19日(土)午後1時30分~4時、「あつまれ!リーガル女子」のシンポジウムが開催されました。
 当会での開催は、令和元年度、令和2年度に続き3回目となります。当初、リアル方式とリモート方式の併用開催も検討していましたが、コロナ禍のため、令和2年度と同様、リモート方式のみの開催となりました。
 当日は、中学1年生から高校3年生まで約90名が参加し、中には令和2年度に引き続いて参加してくれた生徒もいました。また、愛知県・岐阜県・三重県以外に石川県、福井県、兵庫県、埼玉県、神奈川県、東京都からの参加もありました。
2 シンポジウムの内容
 中根志保副会長の挨拶で幕が開き、第1部はパネルディスカッション及び進路説明、第2部はグループセッションの構成で行われ、最後に堀田崇副会長の挨拶で幕を閉じました。以下では、第1部についてご紹介します(第2部については次頁以降をご覧下さい)。
3 パネルディスカッションの内容
 パネルディスカッションでは、戸﨑涼子裁判官(名古屋地方裁判所)、三四昌子検察官(名古屋地方検察庁)、竹内裕美会員の3名をパネリストとし、私もコーディネーターとして参加しました。パネリストの方々には、事前の打ち合わせから熱心にご協力いただき、当日も仕事の内容、海外留学や研修制度、産休・育休制度、仕事のやりがい等、幅広いテーマについてわかりやすくお話しいただきました。
 生徒へのアンケートでは、「とても良かった」「良かった」の割合が合計で95%を超えるなど、大変好評でした。また、アンケートの中で「1つの話題について、裁判官、検察官、弁護士と異なる三者からお話を聞くことができて、共通することや異なることを理解することができたのがとてもよかった」という意見がありました。たしかに法曹三者が一堂に会して、様々なテーマについて生徒向けに話をするという試みは他になく、今後も続けていくべきだと改めて感じました。
4 進路説明の内容
 進路説明では、上松健太郎会員をコーディネーターとして、名古屋大学法科大学院1年生である奈良田和華さんと同大学法学部4年生で本年4月から一橋大学法科大学院へ入学する藤本美羽さんから、大学生活の過ごし方や大学院受験についてお話を伺いました。大学院生、大学生にお話を伺うのは初の試みでしたが、中高生にとって法曹への具体的な道筋が見えるという意味で大変意義のある試みだと感じました。
5 おわりに
 今回のシンポジウムでは、名古屋地方裁判所から4名の裁判官、名古屋地方検察庁から4名の検察官、当会のほか岐阜県弁護士会、三重弁護士会等他会の弁護士、大学院生や大学生の皆様に講師等をお引き受けいただきました。ここに改めて御礼申し上げます。

4月号「あつまれ!リーガル女子」挿入写真.jpg

きらきら輝く瞳に触れて

会 員 原   さやか

 私のグループでは、高校生1年生から3年生までの7名の生徒さんに参加していただき、岡村晴美会員の司会進行のもとで、堀田崇会員と私の3名の弁護士がそれぞれ質問に回答する形でお話しさせていただきました。
 リモートならではの利点として、愛知県だけでなく、岐阜県や福井県からも生徒さんが参加してくださいました。
 受験勉強に関することや、死刑制度に関することから、国際的な事件に関すること、依頼者と関わり方、弁護士の仕事に関すること、個別の事件の経験談等、さまざまな種類の質問を生徒さんからいただき、弁護士3名からそれぞれの考え、経験に基づくいろいろなお話をさせていただきました。生徒さんの中にはすでに法曹を目指すことを決めている方も何名かいて、きらきらと輝く瞳で大変熱心に質問をしてくださいました。
 約1時間のグループセッションの時間は、あっという間に終わってしまい、もっと生徒さんとお話ししたかったと思うほど、とても充実したものになりました。
 イベント後のアンケートでは、「いろいろなお話を伺い法学にさらに興味を持ちました」とか、「もともと法律の世界に興味はなかったけれども話をきいて弁護士の仕事に興味を持ちました」とか、「常に勉強や調べものをしていて堅いイメージがあったけれども、いろんな人とたくさん関わり自分のことのようにたくさんのことを経験できるという話を聞いて楽しそうだなと思いました」といった、大変うれしい感想もいただきました。
 私自身は、高校生の時に将来の職業についてあまり考えたことがなかったので、将来を見据えてこのようなイベントに参加してくださる生徒さんたちに対しては、尊敬の気持ちを抱かざるを得ません。少しでも生徒さんの将来の進路を検討するお手伝いができたことをうれしく思います。本イベントでお話しさせていただいた生徒さんに、将来、法曹としてお会いするかもしれないと思うと今からとても楽しみです。

女性法曹の明るい未来へ

会 員 小 出 麻 緒

 私のグループでは、高校生8名・中学生1名(計9名)の、特に検察官に関心をもった生徒の皆さんにご参加いただきました。
 榊原詩音検事、中根志保会員とともに、私の方で司会進行役を務めましたが、Zoomの挙手機能やチャット機能を活用してもらうことで、質問者も偏ることなく、生徒全員から積極的に質問が飛び交いました。
 法務技官や検察事務官を目指す生徒さんも参加しており、榊原検事より、事件を通じた検察官と他の専門家等との具体的なかかわり方について、実体験をもとにお話しいただきました。
 他にも、同時に担当する事件数はどれくらいか、検察官は事件の処理方針について上司から指示を受けるのかなど、弁護士と検察官の仕事について深い関心をもった質問がありました。榊原検事は、身柄事件と在宅事件があることや、検察官は上司の決裁を受けるときは、まずは自分の意見をきちんと伝えることが大事であるとお話しされていました。
 また、大変な仕事にはどのように向き合うのか、ストレス対処方法、法曹としての目標が変わることがあるのかといった、法曹それぞれの個性が出る質問もあり、質問に回答することで、私としても仕事に対する向き合い方を見つめ直す好機になりました。
 刑事裁判を傍聴した生徒さんからは、検察官は被告人が再犯したときにどのような感想を持つか、多くの書類をどれくらいの時間をかけて作成するのかといった質問が出されました。
 最後の質問では、法曹を目指す上で学生の間にやっておいた方が良いことについて質問がありました。ブレイクアウトルームの時間の制限もありましたが、中根会員から色々な経験を重ねることが重要だと声を大にして伝えていただき、セッション終了となりました。
 私自身、学生時代は本イベントの存在を知らず、講師としても今回初めて参加させていただきました。次回以降も、本イベントを通じて法曹に関心を持ち、女性法曹を目指す生徒が増えれば大変嬉しく思います。

初心にかえって楽しみました!

会 員 小 関 ありや

 今回、初めて本イベントに参加させていただきました。お声がけいただいたときからワクワクしていましたが、何より私自身が楽しませてもらえた素晴らしいイベントでした。
 私のグループには、高校1年生から3年生までの8名の生徒さんが参加され、小川淳会員の司会進行のもと、竹内裕美会員、戸﨑涼子裁判官、私の計4名で、生徒さんの質問に回答させていただきました。
 グループセッション自体はあっという間に終わってしまいましたが、事前に小川会員から進行概要をご説明いただいたため、終始スムーズで密度の濃い時間となりました。
 生徒さんたちからは、「法曹を目指した理由」、「他にとっておいた方がよい資格」、「今のうちにやっておいた方がいいこと」、「扱うことが多い案件」、「専門家との関わり方」等、大変レベルの高い質問が出され、こちらも必死に頭をフル回転させて回答をしました。
 また、現在3年目の私にとって、生徒さんたちの質問に対する小川会員、竹内会員、戸﨑裁判官の回答自体がどれも参考になるものばかりで、勉強もさせていただきました。
 特に、「今のうちに勉強しておいた方がいいこと、やっておいた方がいいこと」という質問に対し、全員が「(勉強だけでなく)日々を大切に色々な経験をして欲しい、それが全て将来につながる」というような回答をされていたことがとても印象に残りました。
 終了後のアンケートでは、「もっと色々聞きたかった」「弁護士は堅い人たちだと思っていたがそうではないとわかった」などが多く、生徒さんたちにも充実した時間を過ごしてもらえたようで安心すると共に、一法曹として、弁護士にいいイメージをもっていただけたのであればこれ以上のことはないと思いました。
 本イベントへの参加にあたっては、僭越ながら合格体験記も執筆させていただき、全体を通して初心にかえることができました。
 また、フレッシュで可能性に満ち溢れた生徒さんたちとお話しできて刺激をもらえましたし、回答したことに恥じないよう、気持ち新たに仕事に励もうと思えました。
 最後に、コロナ禍で開催方法の選択が難しい中、このような素晴らしいイベントをご準備いただいた皆様に心より御礼申し上げます。