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多様な人材に期待して

グループセッション
多様な人材に期待して

会報「SOPHIA」 令和3年 4月号より

会員 平山陽子

 私のグループでは、小川淳会員の司会のもと、小林佳那子裁判官と検察庁より弁護士職務経験中の私が講師を務めました。高校1年生と2年生の男女8人が参加されており、法曹三者及び裁判所事務官の職に就きたいという希望を比較的強く抱いている方が多かったこともあり、早くから進路や職業に関心をもって自ら職業の内容等について調べられている学生の方もいらっしゃったのが印象的でした。私自身は高校生のときは法曹になるという考えは全くなかったので、学生の方の意識の高さに率直に尊敬の気持ちを抱きました。

 セッション自体は時間が限られていたこともあり、私のグループでは学生の方々から自発的に質問をいただくことが少なかったのは少し残念でしたが、自分の経験を振り返っても、実際にその仕事をしている人から話を聞くことができる機会というのは、インターネット記事や書籍等を読むだけでは得られない温度感等があり、抽象的だった職業のイメージに現実感が湧いてくるものだと思うので、こういった機会があるということは、法律関係の仕事に興味がある学生の方々にとっては貴重な体験になるのではないかと思いました。

 今回は新型コロナウイルス感染予防のためリモートでの開催でしたが、そのおかげで愛知県のみならず石川県や岐阜県といった他県の学生の方も気軽に参加できたという側面もあり、個人的には良かったのではないかと感じました。もちろん、対面には対面で個別に質問がしやすいなどのメリットもあると思うので、今後は対面とリモートを上手く併用しながら開催できれば、学生ごとのニーズに応じたイベントになるのではないかと感じました。

 司法の末端を担う人間としては、少しでも法律というものに興味をもった方が男女問わずに気軽に参加し、法曹三者に限らず、司法に携わる多様な実務を担う人から直接話を聞ける機会が増えれば、法律関係の職業へのハードルが下がって多様な人材が得られるのではないかと期待するところです。

 最後になりましたが、このような刺激をいただける機会を頂戴し、また、お忙しい中、細やかな準備をしていただいた皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。