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名古屋大学法学部生向けに模擬接見を開催しました ~体験してみよう、刑事弁護のやりがい~

会報「SOPHIA」令和元年12月号より

法科大学院委員会 委員 永 尾 光史朗

1 模擬接見の開催

 11月20日午前10時から午後5時まで、名古屋大学千種キャンパスにおいて、同大学大学院法学研究科宮木康博教授による法学部生向けの刑事法ゼミ(宮木ゼミ)のゼミ生らを対象に、模擬接見を行いました。

2 模擬接見開催の目的

 法科大学院志望者の数は、平成16年には7万人を超えていましたが、平成27年には約1万人、平成30年には約8000人と推移しています。このような推移から、近年、法曹志願者の減少が懸念されているところです。
 そこで、当委員会において、昨年、法曹志願者の増大を目指すことを目的として、模擬接見を行いました。今回はその2回目です。

3 模擬接見の内容

 模擬接見には、宮木ゼミのゼミ生(法学部2~4年生)42名、宮木ゼミの卒業生8名(法科大学院在学生5名、司法試験合格者3名)が参加しました。
 昨年の模擬接見は、被疑者役も弁護人役も受講生に担当してもらいましたが、今回は、受講生に臨場感をより味わってもらえるよう、被疑者役は弁護士が担当することとしました。
 シナリオは、強制わいせつ、恐喝、覚せい剤取締法違反の3種類を用意しました。接見時間は30分とし、模擬接見が終了した直後に被疑者役の弁護士が講評を行いました。
 被疑者が完全には自白していない状況で示談交渉をすべきか、国選から私選への切り替えは認められるか、接見室内において電子機器の使用は許されるか、接見等禁止決定がなされている状況で宅下げされた手紙を第三者に渡すことは許されるかといった質問がなされた場合にどのように対応するのかなど、実務ならではの問題について、受講者はかなり悩んでいる様子でした。ただ、受講者が一定の回答をひねりだそうと努力していた姿はすばらしいと感じました。

4 弁護士と語る会

 今回は、模擬接見に加えて、弁護士と語る会と銘打ち、いくつかのグループに分かれ、受講生からの質問に弁護士が答える時間を設けました。受講生からは弁護士を志したきっかけ、弁護士の働き方、試験勉強の仕方等について質問がありました。受講生の中にはまだ進路選択に悩んでいる人もおり、弁護士の話を熱心に聞いていました。

12月号 名古屋大学法学部生向けに模擬接見を開催しました(永尾光史朗先生).JPGのサムネイル画像

5 懇親会

 その後、場所を移動して懇親会を行いました。模擬接見の受講者のほぼ全員が参加しました。昨年は法曹の道に進むか迷っていたところ、今年になって法曹を目指すことに決めたと述べる受講生がいました。

6 今後に向けて

 模擬接見は宮木ゼミのゼミ生にとって重要な催しになっているとのことでしたので、来年も引き続き開催し、法曹志願者を増大させるため、尽力したいと思います。