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豊明市との「災害時における法律相談業務等に関する協定」の締結

会報「SOPHIA」令和2年7月号より

災害対策委員会 副委員長 上 松 健太郎

1 豊明市との協定締結

 6月22日、豊明市役所において、豊明市と当会との間で、「災害時における法律相談業務等に関する協定」の締結式を執り行いました。
 この協定は、大規模災害発生時に被災者等を支援するため、当会と豊明市との間での法律相談やその他の支援活動の協力体制について基本方針を定めたものです。具体的には、災害発生時の被災者等に対する無料法律相談会の実施手順や役割分担のほかに、法律相談会以外の支援活動や平常時における情報交換を協力して行うことが盛り込まれた内容となっています。なお、当会は、これまでに、名古屋市、春日井市、刈谷市、江南市、小牧市との間で、このような災害に関する協定を締結しています。
 締結式には、豊明市の小浮正典市長と当会の山下勇樹会長が参加し、災害だけではなく、行政と弁護士会との連携一般について、活発な意見交換がなされました。

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2 協定締結に至る経緯

 今回の協定締結は、3月10日に実施された豊明市長インタビュー(SOPHIA 2020年4月号(No.710)17頁)をきっかけとしています。インタビューの席で包括的な連携協定締結の機運が盛り上がったものの、コロナ禍の影響で実務的なレベルの協議などを実施することができなかったため、ひとまず、緊急性の高い災害分野の協定締結を先行させた、という経緯です。
 対面での打ち合わせが制限される中、メールとZoomを用いて詳細を詰めました。今後、当会が、県下多くの市町村と連携をしていくにあたり、ITツールの活用が効果的であることを実感しました。

3 災害発生時における当会の役割

 当地域では、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されています。また、台風や集中豪雨などに起因する大規模災害の発生は、全国各地で、毎年のように生じています。さらに、日弁連の全国弁護士会災害復興の支援に関する規程では、「感染症のまん延」は「災害」だと定義されています(同規程第2条)。昨今の新型コロナウイルスによる影響に対しては、災害復興支援という観点からも、弁護士及び弁護士会としての役割を果たすことができるように思われます。
 大規模な災害が発生すれば、様々な法律問題が生じます。発災後早期のタイミングで弁護士が被災者向けの法律相談等を行えば、被災者に適切な情報を届けることができます。また、被災した方が抱える悩みを少し軽くすることができます。締結式で、山下会長は、「当会は、県下唯一の弁護士会です。」と述べていました。今後も、当会は、県下の自治体と連携し、県下の市民の災害復興を支援していきたいと考えています。
 災害がないことと万一の災害発生時の皆様方の安全を祈念するとともに、平常時から、災害発生時の備えと当会の取組へのご協力をお願いいたします。