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裁判官・検察官・弁護士ここだけの話

会報「SOPHIA」令和3年8月号より

法教育委員会 裁判官・検察官・弁護士ここだけの話チーム長
須 田 悠花子

1 8月3日、中高生対象の体験講座「裁判官・検察官・弁護士ここだけの話」が開催されました。この講座は、名古屋地方裁判所、名古屋地方検察庁のご協力のもと、法曹三者が参加者からの質問に答える形で、「ここだけ」でしか聞けない話をするという企画です。
 例年は、午前の部・午後の部に分けて実施しておりますが、今年はWeb開催であったこともあり、規模を縮小して午前の部のみ、AチームとBチームに分かれて実施されました。Aチームは、司会が早瀬晋平会員、回答者が岩谷彩裁判官、長好行検察官、貝沼宏徳会員、Bチームは、司会が田奈津子会員、回答者が石川颯人裁判官、奧大樹検察官、瀧島達哉会員という編成です。A・Bチーム合わせて13名の中高生が参加してくれました。

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2 まずは、参加者全員がZoomで一堂に会し、裁判官、検察官、弁護士から自己紹介をしたのち、ブレイクアウトルームを利用してAチームとBチームに分かれ、各司会の軽妙な仕切りで参加者の緊張をほぐしていきます。参加者からは、「普段どのような生活をしているのか?」「なぜ法曹三者の中でその職業を選んだのか?」といった素朴な疑問や、「法曹になるために必要な能力は何か?」「司法試験という長時間の試験でどのようにして集中力を保ったのか?」といった将来を見据えた(!)質問がされました。
 また、毎年、参加者からはなかなか鋭い質問がぶつけられますが、今年も、「自分の発言や判断が人の人生を左右するという仕事への責任をどのように受け止めているか?」「仕事のやりがいと怖さはどういうところか?」と、思わずこちらが背筋をピンと伸ばしてしまうような質問も...!そして、やはりお決まりの質問は、「年収はいくらか?」。ここはもう、たっぷり経験を積んだ話術と法曹三者間の連携プレーで無難にこなします。
 さらに今年は、某人気ドラマの影響もあり、「職権発動は実際にあるのか?」「裁判官と検察官と弁護士は仲良しなのか?」といった質問もありました。職権発動については裁判官から説明がされた後、「夢を壊してしまってすみません...」とのお言葉もありましたが、裁判官・検察官・弁護士が和気藹々とやり取りをしている姿から、法曹三者間のいい雰囲気を感じ取ってもらうことができたのではないかと思います。


3 今年は初めてのWeb開催でしたが、例年通り参加者からは積極的な発言があり、また、丸谷聡志会員と上野慎介会員の技術サポートによりスムーズに企画を実施することができました。実施後のアンケートでも、「とても楽しく勉強になった」「仕事のうえで大切なことなどをそれぞれの立場から聞くことができた」「法律家を目指したきっかけや、一日のスケジュール、仕事の内容、転勤の話など聞く事ができ、より法律家という職業を身近に感じることができた」などの好意的な回答が得られました。
 来年こそは参加者と対面で開催し、法服やバッヂなどを実際に見て、手に取ってもらい、法曹三者の声を「生」で聞いてもらいたいと、強く願います。