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法曹三者合同企画「18歳から考える司法と裁判-裁判員裁判を通じて-」が開催されました!

会報「SOPHIA」 令和5年11月号より

広報委員会 裁判見学ガイド部会 部会長 田  島   港 

1 はじめに

 10月30日、名古屋高等・地方裁判所、名古屋高等・地方検察庁及び当会の法曹三者が合同で、高校生・大学生を中心に、裁判員裁判を題材とした模擬事例について執行猶予か実刑のいずれが相応しいかを考えていただくという内容の「法の日」週間行事を開催しました。

 出演者の村瀬恵裁判官、上保由樹検察官、山田陽介会員が名古屋地方裁判所の裁判員裁判が実施される法廷に集まり、今年は、コロナ禍後初のリアル開催と昨年と同様のオンライン開催を併用したハイブリッド形式で実施しました。当日は、会場参加11名、オンライン参加5名、合計16名の学生が参加しました。

2 模擬事例

 題材となる模擬事例は、高校3年生(18歳)の被告人が、闇バイトに引っかかり、空き巣の見張り役を担い、金品窃取後、逃走する際に被害者に発見され、主犯格の命令にて、逃走車両にしがみ付いた被害者の手をドアノブから引き離したことで被害者が転倒し傷害を負った(強盗致傷罪)というものでした。

 会場参加者は3グループに分かれ、各出演者がそれぞれのグループの司会進行役となり、模擬事例について、執行猶予か実刑のいずれが相応しいかを参加者に考えてもらい、オンライン参加者には、チャット機能を使用して意見を述べていただきました。

 参加者16名中7名が実刑が妥当、9名が執行猶予が妥当という、結論が分かれる結果となりました。

 実刑が妥当と判断した理由として、「実行行為に関与しており、責任は重大」、「被害者に重い怪我を負わせていることは看過できない」、「犯行に至る前に警察に相談するなどして引き返すことができたはず」といったものが挙げられた一方、執行猶予が妥当と判断した理由としては、「被告人は利用されたに過ぎないし、役割も大きくない」、「自主退学で学校をやめており、社会的制裁を受けている」、「被告人は初犯だし、18歳で将来性がある」といったものがありました。興味深かったのは、「学生証をSNS等で送るのはダメと学んでいる」という意見で、ネットリテラシー教育も着々と根付いてきているのだなと感じました。

 意見交換後には質疑応答の時間が設けられ、今の仕事に就こうと思ったきっかけや今の仕事のやりがい等について出演者に対して質問がなされ、出演者は、自身の経験を交えて参加者からの質問に答えていました。

3 終わりに

 一堂に会した各法曹と参加者とがリアル開催で交流できたことは、参加者にとって貴重な機会になったものと思います。参加者からは、「貴重な意見を聞けて、有意義な時間を過ごせた」、「模擬裁判を通して、誰かの人生の重大なことを決める瞬間に立ち会うことの責任の重さ、仕事のやりがいを感じることができました」、「このような司法を身近に感じられるようなイベントが増えると良いと思いました」等アンケートでも好評をいただきました。