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選挙の日どう決まる?

中部経済新聞2021年10月掲載 ひまるん相談室
選挙の日どう決まる?

【質問】

今回の衆議院議員総選挙は、衆議院議員の任期満了後に行われるということですが、選挙の日ってどのように決まるのでしょうか。また、任期が満了してしまうと選挙で新しい議員が選ばれるまでの間、国会はどうなってしまうのでしょうか。



【回答】

衆議院議員の任期は4年ですが、衆議院が解散された場合には、その期間満了前に終了します(憲法45条)。つまり、衆議院議員総選挙は、①任期満了による場合と、②衆議院が解散された場合に行われることになります。

 任期満了による場合には、任期満了前30日以内に選挙を行うと定められています(公職選挙法31条1項)。その場合、任期が満了する前に選挙が行われるため、衆議院議員が存在しない時期は生じません。

 他方、任期中に衆議院が解散された場合には、解散から40日以内に選挙が行われることになります(憲法54条1項、公職選挙法31条3項)。

 そして、任期満了日当日まで衆議院を解散できるとするのが政府の見解ですので、その場合、理論上は任期満了日から40日後までに選挙を行うということがありえるわけです。

 現在の衆議院議員の任期は10月21日(本日)まででしたが、10月14日に衆議院が解散されたため11月23日までのどこかで総選挙を実施すればよいことになります。

 今回の投票日は10月31日になりましたが、投票日を期限までのどの日にするかまでは法律で定められているわけではありません。慣習によって、一般的に休日である日曜日に行われることが多いようです。

 さて、衆議院が解散されると、衆議院議員はその時点で失職し、参議院も同時に閉会となるため(憲法54条2項)、総選挙後に国会が新たに召集されるまでの間、国会は機能を停止することになります。

 仮に緊急で国会を開かなければならない事態になった場合には、内閣が参議院の緊急集会を求めることができますが、緊急集会でなされた決定はあくまで臨時のものなので、その後新たに国会が召集されて10日以内に衆議院の同意が得られない場合には効力を失います(憲法54条2項、3項)。

 他方で、憲法70条の解釈により,内閣は衆議院議員ではなくなった閣僚も含めて、衆議院解散後もその職務を継続することになります。