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中部経済新聞2015年07月掲載
マイナンバー制度とは 民間事業者も対策を
中部経済新聞2015年07月掲載
マイナンバー制度とは 民間事業者も対策を
何やら国から私に番号が付けられるみたいですね。 | |
いわゆるマイナンバー制度のことですね。「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)により規定されたものです。今年の10月から国民一人一人に番号が通知され、来年1月より番号の利用が開始される予定です。 | |
一体、どういう制度なのですか。 | |
「社会保障・税番号制度」といい、住民票を有するすべての人に、固有の番号を振り分け、社会保障や税、災害対策といった複数の機関に存在する個人の情報を結びつけ、各機関間での情報連携を可能にする制度です。 | |
行政機関内で、国民の情報を共有しやすくするのですね。 | |
そのようです。国はこの制度によって三つの効果が期待できると説明しています。 一つ目は、公平・公正な社会の実現です。所得や他の行政サービスの受給状況が把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止できるようになるとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになるようです。 二つ目は、国民の利便性の向上です。行政機関に提出する書類が削減されるなど、行政手続が簡素化されることで、国民の負担が軽減され、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになるようです。 三つ目は、行政の効率化です。行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減され、複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになるようです。 |
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でも、この制度、何か怪しいことに利用されたり、個人情報が漏れたりしませんか。年金機構でも問題になりましたよね。 | |
そうですね。アメリカや韓国など諸外国でも大量の情報漏洩や、なりすましなどの事例が多く報告され、社会問題化しています。この制度は、社会保障と税分野の様々な個人データを、生涯不変の番号で管理し、情報提供ネットワークシステムを通じて一元的に利用することを可能としていますので、仮に情報漏洩が生じた場合、プライバシー侵害の度合いは極めて大きくなる危険があります。また、今後、民間分野における利用拡大を目指していますので、個人情報が自分の知らないところで利用されてしまう危険も指摘されます。実は、我々弁護士もこのことを非常に懸念しており、この法案成立に対しては日本弁護士連合会会長による反対声明も出しています。 | |
国には十分な対策をとってもらわなければいけませんね。 | |
この法律は民間事業者にもさまざまなことを求めています。社長の会社でも源泉徴収票など税や社会保障の手続の場面で従業員や扶養家族の番号を利用しますし、取引先、株主などの番号を取り扱うことになります。マイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」とされ、特定個人情報のファイルを正当な理由なく第三者に提供した場合など、現行の個人情報保護法と異なり、厳しい罰則が科されますし,注意が必要ですよ。 | |
どんな点に注意が必要なんですか。 | |
マイナンバーを取り扱う上で注意すべきポイントとしては、 ①取得、②利用・提供、③管理・廃棄、④安全管理措置が挙げられています。 |
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具体的にはどんなことですか。 | |
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なるほど。国民の利便性の向上とは言うものの,我々民間事業者には負担が大きくなるかもしれませんね。 | |
そうですね。まずはマイナンバーを適正に扱うために社内規程を策定して、基本方針や取扱方法を定めましょう。また、人事、給与、会計等の業務について、マイナンバーに対応したシステム開発や改修をする必要がありますね。 | |
社員にも周知する機会を作らないといけませんね。 | |
そうですね。今回は大まかな概要だけしかお話しできませんでしたが、詳しい情報は内閣官房の専用ホームページ(マイナンバーで検索)に掲載されていますよ。 |