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中部経済新聞2013年03月掲載 労働契約法の改正(上)
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まったくもう、最近の若いものは...。 |
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どうしたんですか。 |
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またバイトが急にやめちゃったんだよ。 |
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社長の会社はアルバイトが多いですから労務管理も大変ですね。 |
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そうなんだよ。なかなか正職員をたくさん抱える余裕がないところが辛いよね。 |
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社長、そのことに関連するのですが、労働契約法が改正され、4月から施行されるのはご存知ですか。 |
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労働基準法なら聞いたことあるけど...。 |
労働基準法
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労働基準法は、労働条件の最低基準を定めたものです。ですから、いくら労働者が了解していても、労働基準法に反する労働契約や就業規則は無効になり(強行法規)、違反すると罰則が適用される場合もあります(取締法規)。 |
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えっ、そんな厳しい法律だったの? |
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労働基準法を甘く考えていると痛い目にあいますよ。残業代不払いについて労働基準監督署から是正勧告されたという報道もよく目にしますよね。 |
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私が従業員だったころはサービス残業なんか当然で、文句は言わなかったけどなぁ。 |
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それが日本人らしさといえば聞こえはいいですが、労働者が不当に犠牲になってはいけません。 |
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それはそうだね。 |
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他にも残業代を払っているのだから良いと考えて、時間外労働協定(いわゆる36協定)も締結せずに当然のように時間外労働をさせている会社も見受けられます。 |
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サービス残業ではないのだから良いんじゃないの? |
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いいえ。法定の労働時間を超えて時間外労働をさせるには、お金を払うだけでなく、労働者の過半数で組織する労働組合か、労働者の過半数を代表する者と労使協定を結び、行政官庁に届け出なければならないのです。最近は、こういった時間外労働に関する紛争も多くなっていますので、経営者も注意する必要があります。 |
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我が社も労務管理について見直さなければいけないね。ちょっと手伝ってよ。 |
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もちろんです。 |
労働契約法
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話が飛んでしまいましたが、本題の労働契約法を説明しますね。 この法律は、雇用にあたり労働者と使用者の間で締結される労働契約の基本的事項を定めたものです。契約の当事者である労働者と使用者の合理的な行動による円滑な労働条件の決定や変更を促すことを目的としています。 就業形態の多様化、個別労働関係紛争の増加等に対応し、個別の労働者及び使用者の労働関係が良好なものになるよう平成20年から施行されました。 |
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労働基準法とはどう違うの? |
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先に述べたように労働基準法は労働条件の最低限を守るため、強行法規としての性格を有し、罰則による取締法規としての性格を持っています。 一方、労働契約法は、労働基準法が守られていることを前提として、労働条件が定められる労働契約について、合意の原則などの基本的事項を定め、労働契約に関する民事的なルールを明らかにしたものです。労働基準法と違って罰則はありませんが、この法律に違反してトラブルになると労働審判や訴訟に発展してしまいます。 |
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より良い労働契約を目指すための法律というイメージなのかな。具体的にはどんな内容なの? |
労働契約法の内容
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労働契約の締結や変更に当たっては労使の対等の立場における合意によらなければならないといった原則を明らかにし、労働契約の内容について理解を促進すること、労働者の安全へ配慮することなどを定めています。 |
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それは大切だね。 |
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また、労働契約と就業規則の関係を明らかにする規定、あるいは労働契約の終了に際し、不当な懲戒や解雇等を防止する規定など、労使間の紛争が生じないような様々な規定を設けています。 |
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なるほどね。 |
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そして、今回改正のポイントとなる、「有期労働契約」に関する規定も設けています。 |
有期労働契約
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有期労働契約? |
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1年契約、6か月契約など契約期間の定めのある労働契約のことをいいます。パート、アルバイト、契約社員、嘱託など職場での呼称に関係なく、期間に定めがあるか否かで区別します。 |
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うちのバイトは、更新はあるけど、一年契約だから有期労働契約になるんだね。 |
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ところが、この有期労働契約は、労働契約法が成立する前から、契約期間があるのにその途中で解雇されたり、いつでも契約を打ち切ることができるよう契約期間が非常に短く設定されていたり、労働者の不利益が大きいという問題点が指摘されていました。 |
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労働者としては、いつ契約がなくなるか不安だよね。 |
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そこで労働契約法制定時には、これらの問題点に対処するために、契約期間中はやむを得ない事由がある場合でなければ解雇できないことを明確にし、可能な限り長期間雇用されるよう契約期間が必要以上に細切れにならないよう使用者に配慮を求めるなどの規定を設けたのです。 |
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それがもう改正になるの? |
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そうなんです。次号で詳しくご説明しますね。 |