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【ちょっとお得】 11月に裁判員候補者通知が届いた

中部経済新聞2012年5月掲載
【ちょっとお得】 11月に裁判員候補者通知が届いた

【質問】

 先日、100日もかかった裁判員裁判がありましたが、改めて裁判員制度について教えて下さい。

【回答】

 今号ではあなたが裁判員に選ばれるまでの流れをご説明します。

  1.  名簿掲載通知
     毎年11月、各地方裁判所は、「裁判員候補者名簿」に掲載したという通知を発送します。 この名簿は、地元の衆議院議員選挙の有権者から、無作為抽出の方法で作成されます。あなたにこの通知が届いた場合、翌年の1年間、裁判員に選ばれることを覚悟して下さい。 通知には、「調査票」が同封されており、裁判員になれない事由の有無、1年を通じて辞退できる理由(70歳以上、学生など)がある場合、辞退希望の有無が調査されます。
  2.  呼出状
     裁判員対象事件が起きると、裁判所は、その名簿の中から、くじで「裁判員候補者」を選びます。あなたが裁判員候補者に選ばれた場合、裁判の6~8 週間ほど前に「呼出状」が届きます。呼出状には「質問票」が同封されており、病気やけが、仕事上の理由などで裁判員となるのが困難な事情があるときは、辞 退を希望する旨を書きこみます。
  3.  裁判員等選任手続
     裁判員候補者に選ばれたあなたは、裁判の初日、裁判所に出向くことになります。
    裁判員候補者控え室に通された後、所定の時間になると裁判員等選任手続に参加することになります。選任手続には、検察官・弁護人も出席します。
     その際、あなたには「質問票」が配布されます。質問票ではその事件との関係の有無等を調査されます。
    質問票への記入が終わると、候補者は裁判官から質問を受けます(質問手続)。その事件との関係の有無についての質問のほか、辞退を申し出ている場合には、その事情について尋ねられます。
     その後、裁判官は、裁判員候補者から、その事件で裁判員になれない者、辞退を認めた者を除外します。また、検察官と弁護人が選任しないよう請求した者も、除外します。
    最後に残った候補者の中から、くじで、その事件を担当する裁判員6人を決めます。
    あなたがくじに当たると、裁判員となります。また、場合によっては、補充裁判員を決めることもあります。