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大好評! 第6回乗合方式裁判見学ガイド
会報「SOPHIA」 平成27年12月号より
広報委員会 裁判見学ガイド部会
部会員 若山 朋代
1 乗合方式とは?
12月4日、第6回乗合方式裁判見学ガイドが開催されました。当部 会では5名以上の団体での申込みを対象として、随時、無料の裁判見学ガイドを行っています。乗合方式は、1人でも裁判を見学したい、どんな事件を見学した らいいのだろう、といった市民の方々向けに、私たち弁護士が無料でガイド役として、裁判の仕組みを説明し、裁判見学(傍聴)にご案内するというものです。 今回は、定員30名を超える申込みを頂きました。
2 裁判見学ガイド舞台裏
裁判見学のガイドは、部会員が担当するのですが、色々と苦労があり ます・・。裁判所のご協力により何件か開廷予定の事件を紹介頂くほかは、私達も当日初めて裁判所1階の開廷表で事件を知るわけで、傍聴に適した事件を取捨 選択しなければなりません。事件名、裁判員裁判かだけでなく、法廷の大きさ、参加者の人数、当日の傍聴人の入り具合等を勘案して法廷選択、傍聴開始後も裁 判の進行や参加者の様子を見ながら適宜別の法廷に案内する等、様々なミッションがありますが、今回も、部会員同士のチームワークにより、殺人事件の裁判員 裁判(審理)、窃盗事件(新件)、詐欺事件(新件)などの事件を傍聴してもらうことができました。
3 初のミニ講演大成功!
今回初めての試みとして「無罪・えん罪」をテーマに山田陽介会員に よるミニ講演を実施しました。同会員からは、基本的人権の保障を全うするという刑事裁判の使命、えん罪が生まれるメカニズム(刑事事件の有罪率、自白偏重 等)、えん罪を防止するためにはどうしたらよいのか等を、参加者へのクイズも交えながら、難解な法律用語に頼ることなく、分かりやすく伝わりやすい言葉で 参加者に講演してもらいました。特に、同会員が刑事弁護を務めた窃盗事件(コンビニ店員の若者がレジの売上金を盗んだと疑われ、1年以上の裁判を闘ってよ うやく無罪が認められたという事案)の話は、同会員の熱い思いが参加者に伝わったようで、その後の質疑応答では、質問が同会員に集中し大人気。参加者から のアンケートでも、「山田先生の講演が、特に丁寧で聞いていてとても分かりやすかった。弁護士の先生のイメージが変わりました。一生懸命に伝えようとして 下さって、嬉しかったです。」、「えん罪や被告人を正しく守ることには、弁護士の方の力が大切なことが分かりました。弁護士の働きを支える市民の力も必要 なことも少し分かりました。」、「講演がとても興味深く良かった」など、大好評で終えることができました。
4 これからの乗合方式
裁判見学ガイドは、まだまだ縁遠く感じられる裁判所や弁護士と市民との大切な架け橋です。この意義を全うできるよう、裁判見学ガイドに合わせ、今回大好評であったミニ講演に続く新たな企画の検討など、さらなる充実を図っていきたいと考えています。