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アイズ施設見学会開催される

会報「SOPHIA」 平成27年12月号より

高齢者・障害者総合支援センター運営委員会
委員 小林 唯希

はじめに

 12月2日、高齢者・障害者総合支援センター運営委員会委員総勢22名で一宮市内の医療法人尾張健友会の複合型施設を見学しました。同医療法人は、病院・ 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・ケアハウス・地域包括ケアセンター等の施設を備えており、全国的にもこれだけ充実した複合型施設は珍しく、日頃な かなか知ることの出来ない福祉・介護の現場を知る大変貴重な機会となりました。

地域に根ざした医療・介護支援

 同医療法人は、地域の人が出資した「友の会」が病院を建設したのを皮切りに、ケアハウス、デイサービスセンター、介護老人保健施設と地域住民の要望に応えるかたちで広がっていったそうで、地域の人が安心して住み続けられるまちづくりを目指しているとのことでした。

介護老人保健施設ちあき

 同医療法人の介護老人保健施設ちあきは、在宅復帰率50%以上を目指す強化型老健です。同施設は、病院と在宅の中間をイメージしており、「寒いから」「暑 いから」等の気軽な理由で入所してもらい、できるだけ長く在宅での生活ができるよう支援しているとのことでした。同施設では、入所の際に自宅に戻る条件を決めて、入所者の8割が自宅に帰っているそうです。
また、現在、老健を看取りの場とする入所者も増えており、胃ろうで はなく自然な形で最期のときを迎えたい方や回復の見込みがない終末期のがん患者の受け入れ先になっているとのことでした。同施設は、敷地内に病院を併設し ていることからそのような入所者を受け入れることが可能なものの、少ない人数体制でどうフォローしていくのかが現在大きな問題となっているとのことでした。
また、老健では入所者へのサービスに医療も含まれていることから、入所者の薬代等も負担しなければならず、パーキンソン病などで高額な医療費がかかる方の入所についても経済的な面で大きな問題となっているとのことです。

特別養護老人ホームちあき

 同医療法人の特別養護老人ホームちあきは、入居定数30名未満の地域密着型特養です。
同施設は、入所者が荷物を自由に持ち込むことができ、できるだけ在宅に近づけるようにしているとのことで、施設自体も木材の家具が使われるなど暖かみのある雰囲気でした。

ケアハウスちあき

 ケアハウスちあきは、60歳以上の方を対象にした軽費老人ホームであり、食堂や緊急対応のための緊急コールが備えられているほかは通常の生活ができ、身の回りのことが自分でできる程度の方を対象としています。
入所者の中には、同ケアハウスから仕事に行く方もいらっしゃるとのことでした。

最後に

 今回の医療法人のような地域に根ざした医療・介護体制がひろがっていけば、人びとは住み慣れた地域で安心して暮らしていくことができ、その人らしい生活を 長く続けることができます。高齢者・障がい者支援を考えるにあたってこのような施設を訪問できたことは、非常に有益であり、今後の生活支援を考えるにあ たって今回の経験を生かしていきたいと思います。