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遺言・相続問題に関する取組みのためのPT

大盛況でした!いい遺言の日記念行事開催される!
遺言・相続問題に関する取組みのためのPT

会報「SOPHIA」 平成27年11月号より

チーム員 細川 俊輔

1 はじめに

 11月14日、電気文化会館5階イベントホールにて「いい遺言の日記念行事」〈三平の「弁護士と相続の話でどうもすいません」〉が開催されました(以下「本行事」という。)。

 昨今、高齢者の間で「終活」が活発化していることに伴って市民から遺言・相続に関する相談が増加するとともに、「どこで相談すればよいのか」「弁護士に遺言・相続のことを相談してもよいのか」との声を耳にするようになりました。

 本行事は、このような声に対し、当会が遺言・相続問題に取り組んでいることを広く知ってもらうことを目的として開催されました。

 当日は、早くから来場者が訪れ、開場と同時に準備した245席(関係者席を含む)は満席となり、遺言・相続に関する関心の高さを感じながらのスタートとなりました。

2 対談

 「明るく相続を考える」との川上明彦会長の冒頭挨拶後、ゲストの落語家、林家三平師匠(以下「三平師匠」という。)に続いて、生粋の落語好きである神谷明文会員が「どうも皆さんこんにちわ、加山雄三です」と「昭和の爆笑王」初代林家三平師匠(以下「初代三平師匠」という。)の名台詞とともに登壇し、「愛すべき家族と林家一門とのキズナ」というテーマで対談が行われました。

 脳溢血の際、病床で語られた初代三平師匠の遺志がもとで巻き起こった一門の苦悩等を通して、遺志を形に残す重要性が語られるなど三平師匠の実体験に基づきながら、神谷会員による遺言書の種類に関する話題がテンポ良く展開されました。

 「備えあれば憂い無し」との三平師匠の言葉に相づちを打つ市民の姿が印象的でした。

3 落語

 三平師匠には落語を一席設けていただくことができました。演目は『みそ豆』。上下の切り方、扇子や手ぬぐいを状況にあった道具に見立てる洗練されたわざ、オチ、と短いながらも落語の醍醐味を最前列で感じとることができ、とても光栄でした。

三平の「弁護士と相続の話でどうもすみません」

<落語を披露する三平師匠>

4 弁護士会紹介

 その後は、石原真二会員と小泉友会員により簡単な当会の紹介が行われました。法廷以外の弁護士の活動、弁護士へのアクセス方法、費用の目安等小泉会員から市民目線の質問がなされ、その都度、石原会員から丁寧で分かり易い説明が行われ、当会で相続専門相談を立ち上げたこともアピールできました。

5 ディスカッション

 「弁護士が解決!あなたにも起きうる遺言・相続トラブル」との題名の下に、三平師匠にも参加いただき、中根浩二会員を先導役に、解説者に矢崎信也会員、辻顕一朗会員・児島貴子会員が扮する怪しげな団体の代表にパネリストとして登壇してもらい、3組の質問者からの相談を受け、市民からも意見を聞きながら進める参加型のイベントが催され、本行事のハイライトとなりました。

 1組目・3組目の質問者は、安井一大会員・村上優太会員の2人の若手芸人、いや若手弁護士コンビ。コントや紙芝居を用いて「愛人の手帳に残された遺贈させる旨の遺言に効力が認められるか」「保険金は特別受益にあたる場合があるか」との質問をぶつけます。

 この2人、本番3日前にボケと突っ込みを交替するという一見無謀とも思える設定変更をしたとのことでしたが、持ち前のセンスと練習量で見事会場を爆笑の渦に包んでいました。

爆笑を誘う安井会員と村上会員

<爆笑を誘う安井会員と村上会員>

 2組目は、安積孝師会員。大胆にも三平師匠の目の前で落語を披露しました。

 故人三平、一平、こぶ平、こぶ平のお嫁さん、八っつあん(※実在の人物や団体などとは関係ありません。)を巡って「相続人でないものの貢献を寄与分として考慮できるか」との質問をぶつけます。

 神谷会員曰く「上下の切り方が甘い」のだそうですが、十分楽しむことができました。

 これらの質問に対し、三平師匠やパネリスト、市民からの意見を聞いた後、矢崎会員より各事例に関する解説がなされました。2組目の質問は、会場の多数意見と解説が異なっていたため、矢崎会員の解説を市民が食い入るように聞いている姿が印象的でした。

 最後は、石原会員の閉会の言葉により本行事を終えました。

安積会員。果たしてオチは...

<安積会員。果たしてオチは...>

なお、司会進行役は、箕浦香代子会員。聴き取り易く、抑揚のある絶妙な進行で本行事をバックアップしていただきました。

6 アンケート結果

 125名の市民から回答を得ることができました。女性の参加者が多く、そのほとんどが主婦でした。

 弁護士に親しみを覚えた、相続の話が分かりやすく聞けた等本行事の目的を達成できたとの手応えを感じる内容が多々寄せられました。

 また、回答者の8割が「新聞」や「広報なごや」を見て本行事に来場していました。当会周知のための媒体選択の観点からも有益な情報を得ることができました。

7 まとめ

 本PTの活動は、遺言・相続のパンフレット作成を残すのみとなりましたが、団塊世代の終活が始まっており、今後も遺言・相続に対する需要は高まり続けることが予想されます。

市民の皆様からは「来年もやって欲しい」との意見もあり、何らかの形で継続する必要があると感じました。