愛知県弁護士会トップページ> 愛知県弁護士会とは > ライブラリー > とよたエコフルタウン訪問

とよたエコフルタウン訪問

会報「SOPHIA」 平成27年7月号より

公害対策・環境保全委員会
委員 露木 洋司

1 はじめに

 7月1日、当委員会の委員6名で、豊田市の「とよたエコフルタウン」の視察を行った。当日は、市担当者によるガイダンス、質疑応答の後、とよたエコフルタウンの案内を受けた。

 以下、視察状況について報告する。

2 豊田市のこれまでの取り組み

 豊田市は、環境と経済・地域活力の両立を目指し、平成21年に環境モデル都市、平成22年に次世代エネルギー・社会システム実証地域としての選定を受け、平成23年12月に地域活性化総合特別区域としての指定を受けた。これらにより財政支援・規制調整等の基盤を確保しつつ、低炭素社会への移行を目指した具体的取り組みを行っている。

 代表的な取り組みとして、東山地区に、家庭電力需要の統括的把握等によるエネルギー消費の最適化を目指すいわゆるスマートシティを、全国で初めて実証住宅団地として導入した。また、補助金制度(住宅用太陽光発電システムの導入等に対するもの)やエコポイント制度(リサイクル・環境学習等により、エコ物品と交換可能なポイントを付与されるもの)を導入し、その充実・定着に努めている。さらに、公共施設の屋根や未利用の土地を地域のエネルギー事業者に提供し、再生可能エネルギー導入の促進を図ったり、提案されたスマートシティ計画の実現を前提に、民間企業に対して市有地を売却したりしている。

3 とよたエコフルタウン

 このような中で、平成24年5月、豊田市の取り組みを伝える情報発信拠点として、とよたエコフルタウンを開設した。とよたエコフルタウンは、都市部から中山間地、山間地と広がる豊田市の特徴をコンパクトに表現した体感型モデル都市である。

 具体的には、水素ステーション、カーシェアリングの実証拠点、エネルギー消費を抑えるいわゆるスマートハウス、地産地消を実践するレストラン、自然界の仕組みにヒントを得た環境負荷が少ない最先端技術の体験ができるパビリオン等により、低炭素社会の一つのあり方を提案している。

4 豊田市のこれからの取り組み

 質疑応答の中で、自動車製造業等の産業部門との協力態様、産業構造の転換の考慮について話題となることもあったが、自治体としての対応には一定の限界がある状況もうかがわれた。

 いずれにしても、豊田市において、今後も「ミライのフツーを目指そう」を合言葉に、環境先進都市プロモーション活動を行っていくとのことであった。

5 おわりに

環境先進都市を目指す豊田市

 今回の視察では、環境先進都市を目指す豊田市の具体的取り組みを確認することができた。当委員会において、今後も自治体のエネルギー政策等に関して検討する予定である。