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検察官と弁護士は仲が悪い? 休日の過ごし方は?

会報「SOPHIA」 平成24年8月号より

法教育委員会 委員 樅木 良一

 今年もサマースクールにおける体験講座の1つとして「裁判官・検察官・弁護士 ここだけの話」が開催されました。

 この企画は、午前・午後に2チームずつ、計4チームに分かれ、それぞれのチームに法曹三者が1名ずつと司会役として弁護士が1名参加し、中高生の素朴な疑問に法曹三者が答えるという、まさに「ここだけの話」を聞くというものです。

 まずどのチームでも、参加している法曹三者がどの職業なのか当てる職業当てクイズからスタートします。私が以前参加したとき、中高生全員から私の職業が修習生だと手を挙げられたほろ苦い記憶が思い出されます。

 今年は修習生の選択肢はありませんでしたが、中高生はそれぞれ自分のイメージする法曹三者と目の前にいる法曹三者を照らし合わせて答えていました。このクイズで緊張がほぐれ、本題の「ここだけの話」に移っていきます。

 最初は、「どうして法曹三者の中でその仕事を選んだのか」、「判決のときどんな気持ちなのか」、「死刑制度についてどう思うか」、「検察官と弁護士は仲が悪いのか」などの質問があり、それぞれ法曹三者が1つ1つ丁寧に答えていました。

 そして、徐々に打ち解けた雰囲気になってきたころ、「休みの日は何を しているのか」、「そもそも休みはあるのか」と中高生の素朴な疑問が投げかけられ、「給料はどれくらいなのか」という質問も出て、法曹三者が答えに困る場 面もありましたし、弁護士に対しては「今、弁護士になっても就職が厳しいと聞くけど、本当なのか」という質問があり、夢を壊さぬようまさに「ここだけの 話」が展開されました。

 途中の休憩では、持参いただいた法服、検察官・弁護士バッジを中高生が手に取り、写真を撮っていました。ここでの人気はやはり法服です。中高生は法服を着て、写真を撮り、非常に満足気でした。ピンタイプではないバッジは、中高生の服につけられない点で少し不利のようです。

 休憩後も中高生の視点から多くの質問が出され、大盛況となりました。

 終盤には、逆に司会者から中高生に対し、「ここだけの話」を聞いて、 「もし法曹三者になるならどれがいいか」という質問が投げかけられ、中高生が答えるという一幕もありました(私が参加したときは、話しすぎて、胡散臭いと いわれ、弁護士の人気がなかった覚えがあります)。例年、検察官の人気が高いところ、今回は、弁護士も負けていませんでした。参加していただいた会員の皆 さんの誠実なトークのおかげだと思います(少し前までやっていたドラマのおかげかもしれませんが)。

 このように大盛況のうちに終わり、アンケートを見ても、「本当にここだけの話というものが聞けて良かった」などとあり、多くの中高生に法曹三者への興味を持ってもらえたようでした。

 この企画は、中高生が、普段はドラマの世界でしか見ることのない法曹三者と交流し、「ここだけの話」を聞くという非常に興味深く、中高生にとって財産となる企画であると改めて感じました。今後もこの企画が続いていくことを望みます。

 最後になりましたが、参加いただきました裁判官・検察官・当会の会員の皆様には、お忙しいなか貴重なお話をしていただき、改めて紙面を借りてお礼を申し上げます。