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女性の権利110番が実施されました
~つながれっとNAGOYA相談室と共同開催~
女性の権利110番が実施されました
~つながれっとNAGOYA相談室と共同開催~
会報「SOPHIA」 平成23年7月号より
両性の平等に関する特別委員会 委員 敦賀 昭代
女性の権利110番の概要について
平成23年6月29日、午前10時から午後2時まで、つながれっとNAGOYA(名古屋市男女平等参画推進センター)において、全国一斉の「女性の権利110番」を実施した。「女性の権利110番」では、毎年、当会主催で女性の権利一般に関する電話相談を行ってきた。今年は初めての試みとして、つながれっとNAGOYA相談室と共同開催し、電話相談だけでなく事前予約制の面談相談も行った。
相談の進め方も、面談・電話相談の両方で、相談の場につながれっとNAGOYAの相談員に待機していただき、弁護士による法律的なアドバイスだけでなく、社会福祉や心のケアについてのアドバイスや行政案内等も出来るような体制をとった。弁護士がまず相談者からの聴き取りを行い、必要に応じて、相談員の助力を頂くやり方であった。当日は交代制で、面談相談に弁護士8人と相談員4人、電話相談に弁護士13人と相談員3人で対応した。
相談日当日の様子・相談内容について
名古屋市において事前にたくさんの広報をしていただいた成果で、午前10時から午後2時までの4時間で、面談相談14件、電話相談21件の合計35件の相談があった。私が担当した午前10時からの電話相談では、受付開始前から電話が鳴るような状態であった。
相談内容は、面談相談では、夫婦関係9件(離婚の可否1件・財産分与4件・慰謝料4件・婚姻費用2件・DV1件・養育費2件・親権1件)、内縁関係2件、女性に対する暴力2件、労働問題2件で、電話相談では、夫婦関係15件(離婚の可否6件・財産分与7件・慰謝料7件・婚姻費用1件・DV5件・養育費4件・親権3件・年金分割1件)、内縁関係1件、女性に対する暴力1件、その他4件、であった(但し、重複あり)。
電話相談を担当した感想
私は電話相談を担当させていただき、養育費の金額に関する相談を受けた。離婚の合意と親権者の取決めはできたが、夫の提示する養育費の金額が妥当かという相談だった。養育費の算定表をもとに回答をしたものの、相談者は夫から給与明細を見せてもらったことがなく夫の収入を正確には知らないとのことだった。養育費の金額は両親の収入に基づき算定されることを説明し、場合によっては調停手続を用いることや話し合いでの解決の場合でも公正証書を作成することが出来る旨回答した。相談者は電話での相談の気安さもあったのか、話をするだけでも不安が小さくなったと言ってくださった。
今後について
今回の「女性の権利110番」で、一言で女性の権利と言っても、多種多様な相談があることが分かった。
当会は、つながれっとNAGOYA相談室と、従前から女性の人権法律相談において連携し、市民に対する法的サービスを行っている。今後も、弁護士として積極的に法律相談を行い、法的アドバイスを必要としている市民の皆さんのお役に立てるようにしていく必要性を実感することが出来た。