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野宿者総合法律相談に参加して
会報「SOPHIA」 平成22年12月号より
消費者問題対策特別委員会 委員 吉田 徹
12月16日午後6時半から、若宮大通公園において、野宿者総合法律相談が開催されました。気温は約5度、風もそこそこ吹いており、体感温度はもっと低く感じる日でした。野宿者法律相談は、公園で炊き出しが行われる月曜日か木曜日のいずれかに行われます。
炊き出しには、毎回200人以上が集まり、今回は230名程度が集まりました。初めて、炊き出しをもらうために集まったホームレスの方々を見たときは、こんなにいるんだと驚いた記憶があります。テントを組み立てて、早速相談開始です。
今回の相談件数は10件以上あり、盛況でした。内容としては、やはり生活保護関係が多く、「アパートに住んでいるが、電気使用量の検診結果を貸主が教えてくれない」「緊急宿泊施設に入ったものの、集団生活になじめずいつもすぐに逃げ出してしまう。集団生活をしないで生活保護を受けられる方法はないのか」「土地建物が他県にあり家族が住んでいる。家族に内緒で生活保護が受けられないか」などの相談がありました。相談者の中で、私が一番印象に残っているのは70歳代の男性でした。仮に、Kさんと呼びます。
Kさんは、そろそろ相談も終盤に差し掛かった午後8時すぎに、足を引きずりながらテントに来られました。Kさんは、目に障害があり、支援者の協力を得て、生活をしている方でした。体調不良で長期の入院もしていたそうです。
Kさんの話し方は、非常にゆっくりで、所々聴き取れない部分もあり、聴き取りには時間がかかりましたが、Kさんの話を要約すると、「2、3日前に、新瑞橋あたりで歩いていたところ、転んで、病院に運び込まれ、入院したが、今朝早く、もう治療の必要はないと言われて放り出された。こんなに痛いのに。障害年金を受けていて治療費も出るのに、なぜ追い出されるのか。このような不当な扱いを受けて、悔しい、病院を訴えたい。あと、やっとここまで歩いて来たが、今夜泊まるところもない。支援者の連絡先も分からない」とのことでした。Kさんは、交通費もなく、病院から足を引きずりながら歩いて、夜になってやっと若宮大通公園までたどり着いたそうです。
病院を訴えたいという件については、当会の人権擁護委員会の存在をお伝えしましたが、問題は、Kさんが今夜どこに泊まるかということでした。
私も何回か、この法律相談に参加していますが、今夜泊まるところがないという相談は初めてでした。以前、Kさんがお世話になっていた病院に電話して入院させてもらえるようお願いしましたが断られ、最終的には、Kさんを支援者のところにタクシーで送ることで解決できました。
私は、Kさんの話を聴き、電話を掛けただけですが、Kさんはとても喜んでくれました。