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中部経済新聞2021年2月掲載 ひまるん相談室
~新車を傷付けられた際の請求は?~
中部経済新聞2021年2月掲載 ひまるん相談室
~新車を傷付けられた際の請求は?~
【質問】
交通事故に遭い,車が傷付いてしまいました。私の車は購入してから2か月しか経っていない新車であり,修理は可能ですが,もう乗りたくありません。新車に買い替えてもらえないのでしょうか。何か請求できるものはありませんか。
【回答】
加害者の責任は,壊れた物を事故前の状態に戻すために必要な金銭(修理金額等)を支払うというものです。そのため,新しい車が傷付いた場合であっても新車に買い替えてもらうことはできません。新車の引渡しを受けた20分後に事故に遭った事案において,新車価格の賠償責任を認めなかった裁判例があります。
しかし,新しい車が傷付いた場合には,修理金額だけではなく,評価損を請求できる可能性があります。
評価損とは,修理をしても外観や機能に欠陥を生じ,または事故歴等により商品価値の下落が認められる場合に認められる損害です。
評価損が認められるか否か及びその金額は,車種,初度登録からの期間,走行距離等の事故に遭った車両の価値や,事故による損傷の部位や程度を踏まえて検討されています。損傷が車両の骨格部分に及ぶ場合には,評価損が認められやすい傾向にあります。車両の価値が高い場合には,損傷が骨格部分に及んでいなくても評価損が認められた事例があります。
裁判例を見ると,評価損の金額は修理金額の何パーセントで評価されている例が多く,修理金額の10パーセント程度から,高いものですと修理金額の50パーセントを超える金額が認定されたものもあります。修理金額の20パーセント前後を認定している裁判例が多いようです。
評価損を請求できるか否か及び金額について迷われましたら,是非弁護士にご相談ください。