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新時代のサマースクールを求めて

2019年小学生・中学生・高校生のためのサマースクール
新時代のサマースクールを求めて

会報「SOPHIA」 令和元年8月号より

法教育委員会 委員長  臼 井 幹 裕

1 サマースクールとは

 法教育に関する主要行事の1つとして、当会では、サマースクールを開校しています。平成15年度を第1回とし、本年度は第17回目の開催であり、既に夏の恒例の行事となっています。この行事は、模擬裁判等の講座を通じて、中高生に、そして小学生にも主体的に物事を考える力を身につけてもらうとともに、弁護士の活動を身近に感じてもらう試みです。

 本年度は、以下のとおり3日間にわたって開催し、参加者は、延べ312名に及んでいます。参加者数では昨年度の345名には及ばないものの、講座によっては過去最高の人数を受け入れてもらいました。各講座の企画と運営に携わった多くの委員、そして、委員ではなくても快くご協力いただいた会員の皆様、さらに「裁判官・検察官・弁護士ここだけの話」で精鋭の裁判官・検察官を派遣いただいた裁判所・検察庁に対して、本誌面をお借りして深く感謝を申し上げます。

2 本年度の講座内容

 小学生の日[7月30日(火)] 

 小学生向けの講座は、「憲法と○○」シリーズの第3弾として、主権者教育のテイストを効かせた「憲法とアリス~ふしぎの国のルール作り~」を午前に、大人も楽しめる演劇を盛り込んだ模擬裁判「続・赤ずきんちゃん~オオカミ兄弟のかんちがい」を午後に行いました。お昼の時間には、「ひまるん」が登場し、集まった小学生たちに弁護士バッチ、司法修習生バッチの意味を説明する場面もありました。

 体験講座[7月31日(水)] 

 中高生向け体験講座として、「弁護士に挑戦!」と「裁判官・検察官・弁護士ここだけの話」を午前・午後に、「クイズ選手権~2019夏~」を午前、「ティーンコート」を午後に実施しました。

 中高生向け模擬裁判[8月2日(金)] 

 本年度は女子ソフトボール部を舞台とする「ソフトでハードな暴行事件~反撃のフルスイング~」を実施しました。

 各講座の詳細は、別掲記事を参照下さい。

3 アンケートからの評価

 サマースクールでは、毎年参加者に(小学生講座では見学の保護者にも)アンケートを記載してもらっています。
 その中で、面白い、楽しかったとするものが多く、理由に、「自由に発言できた」(ティーンコート)、「みんなで議論したのが楽しかった」(中高生向け模擬裁判)、「普段できない議論ができた」(弁護士に挑戦!)ことを挙げています。まさに、互いに言葉を交わすことを通じて「対話的な学び」を体験しています。中には、「1つの出来事に対して深く考えることや、様々な視点から物事をとらえることの難しさ、おもしろさを学ぶことができた」(ティーンコート)と、この行事の狙いを体現する回答も含まれています。次に、他の人の意見を聞くことができたという回答も目立ちます。「自分の意見と反対の意見も聞けて、たくさん納得できる意見があった」(中高生向け模擬裁判)、「自分が話すのも楽しかったが、聞く側のとき勉強できてよかった」(弁護士に挑戦!)などです。見学の保護者からは、大人も楽しめたとのコメントもありました。

4 サマースクール-新時代へ

 私には、サマースクールの3日間は、子どもたちから弁護士がどう見えているのかを教えてくれる時間となっています。そんな貴重な時間を大切にしつつ、これからも、子どもたちが楽しみながら、考え、判断し、発言してもらう講座を展開します。きっと、それは、「小学生・中学生・高校生のため」だけではない、弁護士のための、大人のためのサマースクールになっていると思います。