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中部経済新聞2018年7月掲載
ひまるん相談室 ~通勤中の事故も労災に~
中部経済新聞2018年7月掲載
ひまるん相談室 ~通勤中の事故も労災に~
【質問】
当社の従業員が、就業後自宅に帰る途中に転倒し怪我をしました。通院の必要があるようなのですが、労災保険から治療費を受給することはできますか?
【回答】
通勤災害とは、労働者が通勤により被った負傷、疾病、傷害または死亡をいいます。この場合の「通勤」とは、就業に際して、住居と職場との間の往復、一つ目の職場から二つ目の職場に出勤するための移動、住居と職場との間の往復に先行し、または後続する住居間の移動(月曜日の出勤に備えて日曜日に自宅から単身赴任先に移動する場合などを指します)を、合理的な経路及び方法により行うことをいいます。
就業後いつもの通勤経路を離れて同窓会に参加するような場合には、移動の経路を逸脱または中断したこととなり、通勤経路を離れてから帰宅するまでの移動と同窓会の間は「通勤」とはなりませんが、通勤の途中で通勤経路上の店でジュースを購入する場合などのささいな行為を行う場合には、逸脱・中断とはならないとされています。また、日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合には、逸脱・中断の間を除き、合理的な経路に復した後は再び通勤となるとされていますので、例えば、就業後に日用品の購入のためスーパーマーケットに寄ったり、治療のため診療所に寄ったりした後、通常の通勤経路に戻って帰宅する途中で怪我をした場合にも、通勤災害に該当します。
このように、就業後、合理的な経路及び方法により帰宅する途中で、その従業員が怪我をしたのであれば、通勤災害に該当し、労災保険から、療養給付が受けられます。療養給付は原則として現物給付(無料で治療や薬剤の支給等を受けられる) であり、具体的な請求手続は、その従業員が、療養を受けている指定医療機関等を経由して、所轄の労働基準監督署長に対し、「療養給付たる療養の給付請求書」 を提出することによって行います。