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ひまるん相談室~アルバイト従業員の採用~

中部経済新聞2017年9月掲載
ひまるん相談室~アルバイト従業員の採用~

【質問】 

 当社は、これからアルバイトの事務職員の募集をしようと考えています。求人、採用に際し、何か気をつけることはありますか?

【回答】 

 労働基準法15条1項は、使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して、賃金、労働時間、その他の労働条件を明示しなければならないとしており、この「労働者」には、いわゆるアルバイトのような短時間労働者も含まれます(パートタイム労働法6条1項)ので、求人、採用に際し、これらの規定に従う必要があります。

 明示すべき労働条件と明示方法は、労働基準法施行規則5条に定められています。使用者は、①雇用期間、②雇用期間が決まっている場合は更新の基準、③勤務地や仕事の内容、④勤務時間、時間外・休日労働の有無、休憩時間、休日、休暇など、⑤賃金に関する事項、⑥退職や解雇に関する事項、が明らかとなる書面を労働者に交付しなければなりません。   

これらの項目は、書面を労働者に交付する必要がありますので、口頭で説明したり、書面を見せたりするだけでは足りません。

また、使用者は、書面を交付するだけでなく、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとされています(労働契約法4条1項)。

さらに、労働条件の明示を義務付けた労働基準法15条1項に違反した場合には、罰則(30万円以下の罰金)が課されることもあります(労働基準法120条1項)ので、ご注意下さい。