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毎年恒例「女性の権利110番」が実施されました

会報「SOPHIA」令和2年7月号より

会 員 田 阪 まなみ

1 概要

 6月29日の午前10時から午後3時まで、イーブルなごや相談室(名古屋市男女平等参画推進室)において、「女性の権利110番」が実施されました。
 「女性の権利110番」とは、毎年、男女共同参画週間(6月23日から同月29日まで)にあわせて、日本弁護士連合会と全国の各単位会との共催で行われている無料相談です。
 愛知県では、名古屋市のイーブルなごや相談室と共催し、面接相談(先着6名までの事前予約制)と電話相談を実施しました。
 面接相談では、弁護士とイーブルなごや相談室の女性の専門相談員が同席して相談を受けました。
 電話相談は、弁護士が単独で対応しましたが、相談室内には、専門相談員の方が待機しており、心理的な面からのサポートが必要と判断した場合、相談員の方にすみやかに交代できる態勢が整えられていました。
 また、電話相談では、同じ時間帯に、男性と女性の弁護士両方が待機することになっており、相談者が女性弁護士を希望した場合には、女性弁護士に交代して対応できるようにしていました。

2 相談内容

 今年の相談件数は、面接相談が6件、電話相談が16件の合計22件でした。
 昨年は、面接相談が11件、電話相談が20件の合計31件だったため、件数としては減少しました。
 今年は、新型コロナウイルス対策のため、例年12枠の面接相談を6枠に減らし、また電話回線も、例年3回線準備するところを2回線に減らしたことにより、全体数が減少したものです。
 相談内容としては、半数以上の15件が離婚に関係する相談であり、女性に対する暴力の相談も6件(DV4件・セクハラ2件)ありました(複数回答あり)。

3 電話相談を担当して

 私は午後1時半から3時の電話相談の枠を担当しました。
 担当した相談は、夫から突然離婚を切り出されたため、腹が立って子どもを連れて家から出てきてしまったが、離婚するかどうか迷っている、どうしたらよいだろうか、という内容でした。
 別居直後で混乱している様子であったため、お話を整理しながらお伺いし、今後の方針についてアドバイスしました。
 普段事務所で行っている有料相談の場合、インターネット等で色々と調べてからいらっしゃる方も多いのですが、今回のご相談者は、そのような事前調査は全くされていませんでした。
 やはり、無料かつ電話で相談できることにより、「ちょっと弁護士に話を聞いてみよう」という気軽な気持ちでご利用いただけているように感じました。

4 今後の課題

 電話相談の場合には、ご相談者の表情が見えないため、相談を進めにくい面もありました。
 新型コロナウイルスの影響により、テレビ電話システムなどが広く利用されるようになってきましたが、今後は、このような新たな方法を用いた相談も検討すべきであると感じました。