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サマースクール参加者、最高人数更新!~2018年サマースクールを終えて~

会報「SOPHIA」 平成30年8月号より

法教育委員会 委員長  矢 崎 信 也

1 サマースクール概況  

 本年度は、当初定員総数を360名と設定していたところ、多くの企画で募集開始早々に申込みが定員に達するという嬉しい悩みが生じた。その後、既に名古屋市の「広報なごや」にサマースクールの募集記事を掲載することが決定していたこともあって、急遽、可能な範囲で各講座で定員を増加させた。変更後の定員総数は428名となり、最終的には申込総数394名、実参加数345名と過去最高の参加人数を迎えて開校することができ、大盛況のうちに終えることができた。

2 各企画について

(1)小学生企画 

 昨年から初日を小学生対象の日とし、昨年同様に、午前に「憲法と白雪姫」の名称での劇と討論の主権者教育企画、午後に模擬裁判が開催された。主権者教育企画は、昨年は福井弁護士会作成の題材を使用したが、今年は白雪姫を題材とした新作のオリジナル企画により行われた。平等や公平について多面から考えさせる深みのある内容であり、テーマ毎に劇と討論を繰り返すこの企画は、生徒が飽きない素晴らしい手法であると評価し得る。模擬裁判では舌切り雀を題材に名演技が繰り広げられ、登場人物のうち二人について犯罪の成否を考えてもらった。小学生は自分なりにバランスをとりながら結論を導いていた。悩んだ議論の過程を是非とも大切にしてもらいたい。終了後の法廷見学には、名古屋地裁の揖斐潔新所長が挨拶に来てくださり、企画に重みが加わった。

(2)中高生向け体験講座

 弁護士に挑戦は、昨年とは異なり、勝敗が分かれた。題材のみならず、司会と討論者役の弁護士の個性に勝敗が影響される点が否定できないため、さらなる工夫を検討していきたい。ここだけの話は、3庁の代表が本音で語り、参加者の心を惹きつけていた。少なからず将来の志望にも影響を与えたかもしれない。クイズ選手権では、軽快な司会のもと、「生活笑百科」での寸劇等、例年通りの盛り上がりを見せた。ティーンコートは、加害少年役の弁護士の名演技を受け、被害者にも配慮した柔軟な解決方法が提示され、子どもたちの底力を感じさせてくれた。

(3)中高生向け模擬裁判 

 以前のシナリオの焼き直しであったが、新作と思えるような出来映えであり、登場人物役の弁護士たちは、劇団員さながらの演技力で中高生を惹きつけていた。テレビドラマとは異なり、現実の社会では真実は必ずしも分からないということを少しは感じてくれたのではないかと思う。

3 来年に向けて  

 今年も多くの新人弁護士がサマースクールに関わり、楽しみながら会務の意義に触れてくれた。新人も中堅もベテランも、それぞれがそれぞれの立場で役割を全うしたが、毎年生徒から学ぶことも多く、その意味では弁護士もまだまだ「半分、青い。」のかもしれない。ということで、サマースクールは、生徒のみならず大人のための学校でもある。