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外国為替証拠金(FX)取引被害について

外国為替証拠金(FX)取引とは

外国為替証拠金取引は,FX(Foreign Exchange)取引ともいわれるものです。

外国為替(米ドル/円,ユーロ/円など)の値段(レート)の上がり下がりで,利益が出たり,損が出たりします。

この点は,海外旅行に行くときに,銀行で,外貨と両替をする場合も同じですが,銀行の両替と異なるのは,少ないお金(証拠金・保証金)で大きな金額の取引ができるため(レバレッジ),その分,ハイリスク・ハイリターンとなっている点です。

また,取引の対象となる2つの通貨の金利差の精算の結果,「スワップ金利」・「スワップポイント」と呼ばれるものが発生するのも特徴であり,通貨ペアによって,金利をもらえたり,逆に,金利を支払ったりすることになります。

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不招請勧誘禁止とその潜脱など

店頭金融先物取引として行われる外国為替証拠金取引については,金融商品取引法により,「不招請勧誘」が禁止されています。

耳慣れない,難しい言葉ですが,業者は,外国為替証拠金取引(FX取引)を希望していない人に対して,電話や訪問で勧誘をしてはいけませんというルールです。

このため,最近は,取引の主な形態が,業者の担当者が勧誘する対面取引から,インターネット取引に変化しています。

ただ,対面取引による外国為替証拠金取引が完全になくなったわけではありません。

業者は,取引を希望していないのに電話や訪問をしてはいけないのですが,中には,高齢者や主婦など,ハイリスクな投資の適格性が疑わしい者に対して,当初,投資信託の勧誘を行った後で,取引の仕組みやリスクについて十分な説明をしないまま,「今よりもっと利益が得られますよ。」「大きな利息が期待できますよ。」「絶対大丈夫。任せてください!」などと言って,外国為替証拠金取引を勧誘するケースもあります。

その後,業者に勧められるまま,わけの分からないまま取引を続けてしまうと,いつのまにか,「数百万円,数千万円の損が出ました!」「追加で百万円入金しないと,預けたお金が0になってしまいます!」などと言われて,びっくりするということもありますので,注意が必要です。

自動売買システムでFX取引をして高率の配当をすると称して多くの資金を集め,突然破綻するといった被害も存在します。マルチ商法の手法を併用して,億を超える被害を発生させる事案も存在しています。

トラブルに巻き込まれないためには

勧誘を受けても,知識や経験のない人は,絶対に手を出さないようにしましょう。

巧みな勧誘によって,取引の仕組みがよく分からないまま,取引経験のない方が手を出してしまいがちですが,多額の損失が発生しうるというリスクを決して忘れてはいけません。

また,どんなにしつこく勧誘されても,取引をするつもりがないのであれば,きっぱりと断りましょう。曖昧な対応をしてしまうと,強引な勧誘がやまないことも考えられますので,毅然と断らなければなりません。

もしトラブルに遭ってしまったら

万一,トラブルに遭ってしまった場合には,最寄りの消費生活センターや,投資被害に詳しい弁護士に相談してください。

弁護士に相談すれば,取引をやめることができますし,その業者の営業や取引の内容に問題があれば,損害賠償の請求をして,お金を返してもらえるケースもあります。

愛知県弁護士会・名古屋法律相談センターでは,平成18年10月から,投資被害専門の相談窓口を設けて相談を受け付けています。

被害が拡大する前に,お早めにご相談ください。

(参考)独立行政法人国民生活センター

外国為替証拠金取引