死刑廃止を考える日2017 写真

2017年12月16日(土)、愛知県弁護士会館ホールにおいて、愛知県弁護士会主催、中部弁護士連合会・日本弁護士連合会共催で、「死刑廃止を考える日2017―映画『サルバドールの朝』から」を開催しました。

第1部

映画「サルバドールの朝」を上映しました。

1970年代初頭、フランコ政権末期のスペインを舞台に、不当な裁判によって死刑判決を受けた「サルバドール」という若者とその家族、弁護士らの実話をもとに、死刑執行阻止への苦闘を描いた映画です。自由解放運動のグループに所属するサルバドールの容疑は、発砲により警官を死なせたことですが、他の者の発砲によって死亡した疑いが残っていました。死刑執行が刻一刻と迫る緊張感の中で時間が過ぎていき、最後には、鉄環絞首刑の死刑執行シーンが生々しく描かれています。

スペインでは、このサルバドールに対する処刑が最後の死刑執行であり、1978年に死刑が廃止されました。以後は死刑がない国となっています。

第2部

「なぜ日弁連は、死刑廃止を目指すのか」というテーマの講演です。講師は、愛知県弁護士会所属の小林修弁護士です。

日本弁護士連合会では、2016年10月の人権大会(福井開催)において「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」(福井宣言)を採択し、2020年までに死刑制度の廃止を目指しています。

死刑には、誤判・えん罪の場合には取り返しがつかないという重大な問題があること、日本の刑事司法制度の問題点、世界では死刑廃止国が多く存在していること、犯罪被害者への支援などについて、パワーポイントを利用し、分かりやすく話しました。

今回のシンポジウムは、死刑廃止について考える貴重な機会となったものと考えています。

           

                          愛知県弁護士会人権擁護委員会

                          死刑問題研究部会部会長

                           (なつめ たけし)

                             夏目 武志